――テレビの仕事をセーブすることは勇気がいる決断だったと思います。不安などはありませんでしたか?
すごく不安はありました。セーブしている間は、テレビを見るのを避けたり、街を歩くのも同世代の方のポスターがあったりして嫌になる時期もありました。
でも、ありがたいことに叱ってくれる人がいて、越えなきゃいけないハードルを的確に置いてくれる人もいて、舞台を観劇に来てくださったお客さんや演出の方が、純粋に自分と向き合って意見を言ってくれる環境にいるということが自信になりました。
――本作では満を持して民放で主演を務められるということでしょうか?
そこまで偉そうなことは言えませんが、今回はゼロからのような気持ちです。5年前もそうですが、8年前に民放の連ドラで主演をやらせてもらっていた時とはお芝居に対する考え方も全然違うので、ここからまた新たに始められるという気持ちでいます。
30代に突入するということもあり、本当に俳優人生の第2章第1幕という感覚です。
――台本を読んだ感想を教えてください。
本作を読んで思ったのは、行間にいろいろな思いが込められていて、展開が早いということです。いろいろなことが起きる中で、優しさや人間らしさ、友情って何だろうということを考えさせられる内容になっています。
人間は誰しも仮面をかぶりながら生きていますし、ネット社会がこれだけ発達している中で起きる事件というのは、人間同士が簡略化するが故に起きているのではないかと思う時があります。この作品は、そういう今の時代にぴったりだなと思いました。
――本作は現代の話ですが、シェイクスピアなどの世界文学や、時代劇との違いはありますか?
シェイクスピアや時代劇では、歴史や着物の着こなし方を学ぶなど、全く知らない世界に入り込むための行動をしていました。でも、今回はそうもいかないので、若い人をよく見たり、現代のニュースを今まで以上に意識して見たりするようにしています。現代の作品は、また違う難しさがあると思いますね。
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