山崎樹範「崩壊シリーズ」初出演の前島亜美に「かわいくいてくれれば大丈夫」<Interview前編>

2019/09/20 07:05 配信

芸能一般 インタビュー

栗須健司を演じる山崎樹範


“崩壊”は「スタッフさんとの呼吸」


――「崩壊シリーズ」は物語が進む中で舞台も役も崩壊していきます。

山崎:稽古で作っていくので、最初にあがってきた台本が本番の間にも変わるんですよ。稽古でやって、オークラさんが直して、新しい台本が来て、という繰り返しなので、バランスはどうなるか分からないんです。稽古で役者が提示したことを台本に入れてもらったりもするので、日々変わっていくんです。だから、恐ろしいですよね。

でも、稽古はあっという間に終わるんですけどね。すぐ終わっちゃって、みんなすぐに飲みに行っちゃう(笑)。

前島:いいですね(笑)。

――前作までを拝見して、ドタバタした中にも緻密な計算やタイミング、間がとても大事だと感じました。

山崎:スタッフさんとの呼吸なんですよね。最終的に舞台が全部壊れたりするんですけど、基本的には裏方スタッフさんは3人で動いてるんですよ。役者さん同志の呼吸ももちろん大切なんですけど、顔が見えない中で、舞台を倒すタイミングをスタッフさんが決めるっていう信頼関係がすごいですよね。

第2弾の時からは、舞台監督さんが稽古を始める前に「こんな仕組みがあるんですけどどうですか?」「これがこうやって壊れますけど使えますか?」って提案してきてくれるんですよ。「役者、スタッフが一丸になって」とよく言いますけど、この舞台はまさにそれを体現していますよね。スタッフさんがすごいんですよ。全部壊した舞台を、昼と夜の公演の間で全部直しちゃうんですから。

――これだけ計算されていると、アドリブは出しにくいですか?

山崎:基本、アドリブはないですよ。アドリブっぽくはやりますけど。だいたいは稽古場でやってきた中でのチョイスですよね。ただ、舞台なのでやっぱりイレギュラーなことがあったりすれば、アドリブもありますけどね。

梶原善さんがよく小道具を忘れるんですよ(笑)。いい加減でだらしない役なので、役に飲み込まれてるんでしょうね。そういうハプニングは毎回楽しいんですよね。そこもバランスなので、崩しちゃいけないところは絶対に守っていくという。

――山崎さんから、崩壊シリーズ初出演の前島さんにアドバイスはありますか。

山崎:前島さんは、ずっとアイドルをされていたので、ファンの方々の期待に応える顔、女優としての顔や素顔もあると思うので、さまざまな顔を見せてほしいなと思いますね。嫌な顔とかもね。

僕は、役者の一番いいところって「嫌な顔をできるところ」だと思っているんです。人前でニコニコしなくていいという。普段だったら気を使ってやらないようなことも、芝居という設定でやっても大丈夫というね。“ブラック亜美”を解放してもらいたいですね。

前島:それは、ありがたいです。

山崎:最悪、正拳突きとかやっても良いよ(※前島は極真空手経験者)。

前島:本当ですか。瓦を割っていいですか?(笑)

山崎:瓦、割ってください(笑)。

【後編に続く】

舞台「~崩壊シリーズ~『派』」は10月18日(金)東京・俳優座劇場を皮切りに全国7カ所で上演