――今回「白い巨塔」という作品に参加して発見したことは?
正直、柳原という役はきつかったですよ(笑)。裁判のシーンや佐々木さんの病状の変化など、芝居の域を超えていたと思います。ただ、若者として大人たちから受けてきたもの、そこを越えられないもどかしさや葛藤は、誰にでもあるはずなんです。
柳原の場合は、それが「生きる」「死ぬ」という世界。犯罪者になるか無実になるのかという極限の状況だったということ。なかなか柳原のような経験をすることはないと思うんですけど、何か厳しいことに直面した時に「自分とは何ぞや」「本当にやりたかったことは何なのか」、そういうことを考えるだけで大きく変わっていくと思うんです。
視聴者の方たちにも作品を通して自分なりに何かを見つけてもらえたらうれしいですね。「あきらめない」とか「逃げない」という強い言葉ではなく「自分を信じてみようよ」と、もう少しフラットに自分を感じてみたら本質が見えてくるのかなと。
柳原という若者を演じたことで僕自身もいろいろなものをいただいたような気がします。
――新しい時代「令和」の“和”にちなんで、最近和んだエピソードは?
僕は基本的に和むことしかやらないんですよ(笑)。普段から温泉が好きで、ほぼ毎日行っています。“遊びに行く=温泉”。2時間ぐらい予定が空いていたら行っちゃいますね。温泉が僕の和み。
温泉に入っていると地球とつながっている気持ちになれるんです。地球から湧き出ているものだし、しかも止まることがない。若者にも、ぜひオススメしたいですね。
柳原を演じていて疲れた時も温泉に入ったら心と体が回復しましたから。だまされたと思って1回行ってみてほしい。1カ月行くと確実に体が変わりますよ。
取材・文=月山武桜
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)