「実はあの、前からご相談したいことがあったのですが」と切り出したテツさん。相談の内容は、ヨシくんに自分の財産のすべてを残すため養子縁組をしたい、というもの。
「僕…、僕が、あの」と口ごもりながら、テツさんは「歯を食いしばって貯めた金を、田舎の両親に…ビタ一文、渡したくないんです」と打ち明けた。
田舎の両親との間にどんなことが起きたかは一切明かされないが、それはきっとテツさんにとって、もう思い出したくもない出来事なのだろう。
シロさんなら、つらい記憶を蒸し返さなくても汲んでくれるのではないか。「ビタ一文渡したくない」という一言すらやっとの思いで口にしたテツさんにとって、それはとても大きなことだったに違いない。そしてその間、テーブルの下ではヨシくんが「ガンバレ!」と言わんばかりにしっかりと鉄さんの手を握っていた。
2人の思いは通じた。シロさんは、鉄さんの一言で事情を察し、ほほ笑んだ。「事務所にいらしてください。おふたりの希望通りになるよう、力を尽くします」
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