――2009年にデビューされ、俳優生活10年目を迎えますが、これまでに一番転機になった出来事は?
ヒーローでこの世界に入れたのは、ものすごい大きなことですね。
あと24、25歳のときに、この仕事を辞めようかなと悩んだ時期があったんです。なぜお芝居をしているのか、なぜ生きているのか分からなくなって。でも、そのときに演劇に挑戦したら、生きる意味がもう1回見つけられたんです。
恐らく舞台だと、よりお客さまを身近に感じられたからなのかもしれません。
そこで演技に救われて、シャーロックホームズが面白い謎がないと生きていけないみたいに、僕は芝居がないと生きていけない、「舞台で芝居をすること」=「自分の人生」になりました。
――ちなみに乗り越えるきっかけを与えてくださった方とかはいらっしゃるんですか?
誰か特定の人というわけではなく、俳優仲間や親、ファンの方ですかね。今でもそのときから仲のいい先輩や後輩と話しをすると、「あの時はおまえつらそうだったね」って言われます(苦笑)。
でもそれを言ってくれるっていうことは、そのときにそばに居てくれたってことなんですよね。本当にありがたいですし、僕は周りにいてくれた人に感謝することで、もし自分に目標がなくても生きている意味を抱ける気がします。
――30代に突入して、挑戦したいことはありますか?
今は舞台が多いですけど、映画をはじめとした映像作品にもどんどん挑戦していきたいです。舞台は、その時間を切り取ってその日に消えてしまうけど、映像作品は良くも悪くも残っていく。
また、今の時代はどこからでも映像にアクセスでき、より多くの人に思いや存在を届けられるので、映像作品も増やせていけるよう頑張りたいですね。
――この舞台で一番伝えたいメッセージとは?
良くも悪くもみんな、自分で選んで決めたことをしていると思うんです。なので、いつでも自分で決断して、自分で新たに路変更して生き方を変えられる。
青山みたいに悩んでいるのなら、生きるのを諦める前に、自分の生き方をもう1回、自分で決め直しても遅くはないと伝わればいいですね。
――ちなみに、鈴木さんご自身が生き方で大事にしていることは?
決意と覚悟です。僕は何事も、決意と覚悟に集約されるなと思っていて。あと、ちゃんとその思いを言葉や行動で伝えることは大事にしていますね。
なので、取材をしていただくときも、なるべく正直に思っていることを話したいんです。僕は、夢や思いを自分が持てるだけの言葉を尽くして伝えることで、覚悟ができる。
言ったからにはやろうぜ!って自分でも追い込めますし、もしそれでできなかったとしてもしょうがないですし。さまざまな人に自分の思いを言葉でたくさん届けられるような人間になりたいです。
取材・文=高山美穂
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