──「KEREN」の振付は、バーヨーク・リーさんのほかに、タップ振付をHIDEBOHさん、殺陣を島口哲朗さんが担当されていますが、今回バーヨークさんは、具体的にどのような振付をされていったのでしょうか。
高平哲郎:去年(2018年)の夏、7月から8月半ばくらいまで掛けて、バーヨークにまず骨組みを作ってもらいました。そして年が明けて1月に、彼女に日本に来てもらって、3週間くらいメンバーを指導してもらって。その後少し間が空いて、5月の末にまた来日してもらって、レッスンを再開しました。彼女はとにかく忙しい人だから、アトランタで「サウスパシフィック」、それが終わったらスペインで「コーラスライン」、という具合にスケジュールが詰まってるんですよ。
バーヨーク・リー:今年の初めに日本に来たときは、まだ映像が出来上がっていなかったんですが、5月に来たときには完成していて、その素晴らしさに感動しました。そんな映像をバックに流しながらのダンス、しかも、私とHIDEBOHさん、島口さんの3人による振付ですから、ブロードウェイでも見られないオリジナルのダンスになっていると思います。実際、ステージを見たら、当初イメージしていたよりもずっとハイレベルなものになっていて、私としても非常に満足しています。
高平:僕は以前から、HIDEBOHの見事なタップは映画「座頭市」(2003年/北野武監督)で見ていたし、島口さんの殺陣のすごさも映画「キル・ビル」(2003、2004年/クエンティン・タランティーノ監督)で知っていたけど、3人と直接作業で関わることはなかったので、この三本柱のコラボを、うまいバランスで仕上げていくことを心掛けました。
今年1月の段階でのバーヨークのレッスンというのは、90分間筋トレだったんですね。で、4月に入ったあたりから、演出家としてはステージの中身を作る時間が欲しいから、筋トレは1時間にしよう、とみんなにお願いしました(笑)。でも、いまだに出演者たちは全員、毎日1時間は筋トレをしてますよ。
リー:ダンスレッスンはもちろん大事なんですが、それと同じくらい、体づくりもとっても大切なことなんです。この「KEREN」は、10の物語を70分間休憩なしで見せていくので、ずっと踊り続けなければならない。相当なスタミナが必要になりますから、体をつくることにも重点を置きました。
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