──そんな高平さんに対して、バーヨークさんはどんな印象を持っているのでしょうか。バーヨークさんから見た“クリエイター・高平哲郎”の魅力とは?
バーヨーク・リー:まず、発想がとてもユニークですよね。彼と話していると、私では思い付かないような奇抜なアイデアがどんどん出てくる。私がはるばるニューヨークから飛んできてでも、タカヒラと一緒に仕事をしたいと思うのは、彼の考えることが面白くて、ワクワクさせられるからなんです。
また今回特に感じたのは、タカヒラは、古今東西たくさんの映画を見ているということ。「KEREN」にも、ミュージカル映画はもちろん、ウエスタンや日本の時代劇など、いろいろな映画のエッセンスが取り入れられているんですよ。
高平哲郎:今回、黒澤明(監督)の「用心棒」(1961年)にインスパイアされた殺陣のシーンがあるんだけど、そこで、西部劇によく出てくる、荒野に転がる草が丸まったようなやつをステージ上で転がしたいと言ったら、映像チーム(Moment Factory)がそれをちゃんと作ってくれて。あれはぜひ見てほしいですね。
他にも、オープニングの大阪の街のセットは、リドリー・スコット(監督)の「ブレードランナー」(1982年)や「ブラック・レイン」(1989年)みたいな、雨が降っている街並みにしてくれと言うと、すぐに分かってくれる。映画が国境を超えた共通言語になってるんだよね。
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