――シリーズがスタートしたときのエピソードを教えてください。
スタート当時、骨の鑑定人を描いたドラマが日本にはなかったので、オファーをいただいたときはその着眼点に「おぉっ!」と思いました。
最初に、実際に鑑定に従事されている先生とお話しさせていただいたのですが、「ご家族のもとにご遺骨を帰してあげたい、いつもその一心で鑑定に取り組んでいます」という言葉が、ずっと私の中に残っていて…。今回で8作目ですが、毎回、必ずその思いを中心に据えて演じています。
――ヒロインの岬久美子はどんな女性だと考えていますか?
久美子は仕事ではしっかり者ですが、普段はちょっと抜けている人。パーフェクト過ぎると人間味が感じられないので、明るくておっちょこちょいな性格も加えたいと最初に監督に相談したんです。
私自身、家ではいろいろ失敗もしちゃうし、結構、忘れ物もするので…(笑)。でもこんなに長い年月、1人の女性を演じるなんてなかなかないこと。だからこそ、久美子への思い入れは強いですね。
――9年間で、“骨”について詳しくなったことは?
人間の骨って200個以上あるんですよ!骨の状態から、その人の生き様が分かるので、本当に奥深い世界だなと思います。実は、私の味方は、「骨単」という本。すぐに取り出せるように書斎の棚に置いてあって、台本に骨の名前が登場するたびに開いて勉強しています。
もう手になじんじゃって、今では調べたい骨がどのあたりに載っているか、一発で引けるまでに(笑)。きちんと理解しないと演じられないので、クランクインする前は、まるで受験勉強(笑)。必ず1枚の大きな紙に骨の図や人物相関図を書き込んで頭に入れています。
――このシリーズの魅力とは?
事件は毎回異なりますが、一貫して描いているのは“人間の感情”。大切に思っているのに素直に伝えられずに、すれ違ってしまう切なさ…。そんな人間模様を丁寧に描いてきました。
また、“骨になってしまった人”を家族のもとに帰らせてあげたいという久美子の思いが皆さんに伝わるからこそ。このシリーズが長く続いてきたのかなとも思っています。
――最新作の見どころを教えてください!
誰かを大切に思い、そのために一生懸命になることの尊さが、とても優しく描かれています。クライマックスの桜の森のシーンはとても遠いところだったのですが(笑)、素晴らしい風景の中、登場人物それぞれの感情が行き交うような圧巻の場面になっています。多くの方にご覧いただけたらうれしいです!
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