2018年4月から放送されたテレビアニメ『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の劇中アーティスト・神崎エルザの歌唱を担当したReoNa。同7月には“神崎エルザ starring ReoNa”としてミニアルバム『ELZA』をリリースし、翌8月には自身名義でもソロデビュー。現在までに2枚のシングル発表し、今年2~3月に開催した初のワンマンライブツアーは全会場をソールドアウトさせるなど、勢いに乗っている。
一度聴いたら耳から離れない透明感と、どこか憂いを帯びた歌声の彼女。その独特の声質と不思議と心を掴まれる表現力に、すでに多くの人が魅了されている。そんな、アニソン界はもちろん音楽界からも注目を浴びるReoNaが、アニメの歌を歌うことになった原点である“神崎エルザ starring ReoNa”として再びシングルをリリース。タイトルは「Prologue」。収録曲3曲を通して、“神崎エルザの誕生”に迫る仕上がりとなっている。
「1曲目『ALONE』の作曲・編曲を手掛けてくださった毛蟹(LIVE LAB.)さんは、私自身の楽曲でもお世話になってるんですけど、知り合った当初からいくつかデモ音源を聞かせていただいていて。そこでビンと来て、温めに温めてきた曲が今回の『ALONE』なんです。(アントニオ・ルーチョ・)ヴィヴァルディの名作『四季』をモチーフにしているのも特徴のミディアムナンバーで、Bメロからサビに入ると、今までポップだった曲の世界にクラシックが入ってくる。でもそこにまったく違和感がなくて、その瞬間に私には“あ、エルザだ”って思いました」
エルザは幼少時代、両親にクラシック音楽しか聴くことを許されずに育った。そんな両親へ敬愛と反発を感じさせる名旋律が、毛蟹の音楽の中に見事に溶け込んでいる。
「エルザのバックボーンも感じさせつつ、こんなに違和感なく混ざり合うものなんだって、最初に聴いた時はビックリでした。『ALONE』の歌詞に関しては、エルザの孤独な生い立ちや人生を、桜の木に対して吐露する心情と重ねているイメージ。私、以前からよくお話してるんですけど、お花に対して憧れがすごくあるんです。毎年必ずその時期に咲くってみんなに知られてて、しかも飽きられないうちに枯れちゃう。儚いけど、そのあざとさというか、賢さみたいなものがすごくいいなって。桜に対しては特にそう思ってたんですけど、この歌詞に描かれているのは、花も葉も散ってしまった桜なんです。花が咲かない11か月くらいは、確かに誰にも見向きもされない時期が長くあるな……ということにハッとしました。またエルザは過去に『Rea(s)oN』という曲で“花火”を歌っていたりするんですけど、一瞬の美しさみたいなものがやっぱり彼女の重要なテーマとしてあるんだなって。『ALONE』の歌詞を読んだ時にふと『Rea(s)oN』の“花火のように”という歌詞が浮かんで、散り際の美しさみたいなものも思い出しました」
レコーディングもとにかく「言葉を届ける」ことを意識して臨んだという。
「歌詞が届かないと、この曲が本当に伝えたいものは伝わらないと思っていたので。何度も曲を聴いて、言葉が聞き取れるように……というのはすごく意識しました。今後ライブで歌う時は、楽曲の雰囲気からして終盤あたりかなって。でも今は全然想像できないです。今回、初めて生でストリングスを入れていただいて、そのレコーディングも見させてもらったんですけど、完成音源も含め、そのストリングスのイメージが強すぎて。ライブは多分バンドになると思うので、そういう状況でこの曲を歌ったときにどういう温度で届けられるのか……というのが未知数なんですよ。いずれは生のクラシックスタイルでやるのも夢です」
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