――本作は主人公の逆境からスタートしますが、大泉さんがこれまで経験された最大のピンチは?
ピンチ!?ピンチねー。大きな枠でいうと、大学入学かな。一番行きたかったところに行けず、腐ってしまいそうでした。死んでもいいぐらいに思ったからね。
でも、このまま何もやらなかったらヤバいと思って、演劇研究会の門を叩いた。
ツマラなかったら辞めようぐらいに思っていたけど、そこにNACSのメンバーがいて、それが今まで続いている。運命といえば運命だね。
――しかし、思い返して、そこまで遡るということは、どんなこともピンチや逆境と感じないということでしょうか?
うーん。ちっちゃい枠でいうと、三谷幸喜さんの映画「清洲会議」(2013年)の丹羽長秀を調略するシーンね。
すっごい長いワンカットの撮影だったんだけど、長すぎて、難しすぎて、ほんと帰りたかった。
三谷さんって、現場ですごい動きを付けるんですよ。
1カ所でもセリフをトチったら、もう1回頭からやり直しなのに、練習する日があるわけでもなく、ドライとテストの2回しか練習できない。
延々と喋り続けるのにワンカットで。なおかつ、方言が入るんです。「勘弁してちょうでやー」みたいのが。
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