人間力を色気に変える、大泉洋の俳優道<ザテレビジョンシネマ部コラム>

2019/07/19 07:00 配信

映画

『探偵はBARにいる3』 (C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会


役者、大泉洋には色気がある。

大泉洋がTVバラエティ「水曜どうでしょう」をきっかけに全国区で人気となったのは、もう15年以上前のこと。だが当時、彼が演劇ユニットTEAM NACSのメンバーとしても活躍する役者だという認識をもつ人は少なかったのではなかろうか。

【写真を見る】「ゲゲゲの鬼太郎」で大泉洋がねずみ男を完全再現!(C)2008「ゲゲゲの鬼太郎」フィルムパートナーズ


そもそも彼が役者として最初に注目された映画作品も『ゲゲゲの鬼太郎』('07)のねずみ男役。笑いの要素を期待されての抜擢だが、芸人が必ずしも面白い芝居ができるわけではないように、芝居で人を笑わせることは存外に難しい。ところが大泉は、もち前の笑いのセンスをそのまま演技に生かしつつ、自身の演じる役柄に説得力をもって魅せることができる人。

『探偵はBARにいる』 (C)2011「探偵はBARにいる」製作委員会


大泉の代表作ともいえる『探偵はBARにいる』シリーズ('11~’17)が分かりやすい例だ。最初こそ大泉洋と“ハードボイルド”という言葉のかみ合わなさにクスッとしたりしたものだが(ごめんなさい)、蓋を開けてみればどうだろう。

『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』 (C)2013「探偵はBARにいる2」製作委員会


真冬の北海道を背景に、雪に生き埋めにされる第1作、スキージャンプ台の頂上に吊るされる『~2 ススキノ大交差点』、パンツ一丁で船の先にはりつけにされる『~3』。数々の体を張ったアクションと、松田龍平演じる相棒の高田とのとぼけた掛け合いで観客を存分に笑わせる。