「KERA CROSS」シリーズの第1弾公演「フローズン・ビーチ」が、鈴木裕美演出、鈴木杏らの出演で7月25日(木)から上演される。全国公演に先駆け、7月12日に神奈川・杜のホールはしもとで、プレビュー公演初日を迎えた。
「KERA CROSS」は、演劇界をけん引する劇作家・演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)による過去の名作戯曲を、才気あふれる演出家たちが新たに創り上げるシリーズで、その第1弾が第43回岸田戯曲賞を受賞した「フローズン・ビーチ」。
演出を鈴木裕美が務め、出演は鈴木杏の他、初舞台となるブルゾンちえみ、宝塚歌劇団出身の花乃まりあ、そしてシルビア・グラブの4人となる。
物語の舞台は1987年、カリブ海と大西洋の間にある、小さな島にある別荘の一室。千津(鈴木杏)は友人・市子(ブルゾン)を伴って、幼なじみの愛(花乃)の別荘に遊びにきた。
見習い看護師の千津だが、高校時代には、市子に「殺したい友人がいる」と口走ったことがあり、市子はその気持ちを真に受け、それを“助けたい”とすら思っていた。
市子は、高校時代からエキセントリックな言動で”武勇伝”を持ち、病院に入院歴もある。
愛は、一見ドライでさばさばしているようにも見えるが、双子の姉・萌(花乃・2役)、とは仲が良くない。2人の性格も全く異なり、愛は母が死んでからほどなく再婚した父とその後妻の咲恵(シルビア)に反発心を持っていた。
しかし、萌はファザコンと言えるほど父を愛していた。そして皆が集まったこの日は、くしくも愛と萌の母の命日…。ほどなくして、愛の父・梅蔵と共に、後妻の咲恵が旅先から予定より早く帰ってきた。
愛と萌の3つ上の“継母”であり、ある事故により目が見えなくなった咲恵は、底抜けに明るいが、義理の娘たちとは確執もあるようで、どうもぎくしゃくとしている。
幼なじみの千津と愛、そして、千津の高校時代からの友人・市子。その過去には、友情と呼ぶには複雑過ぎる、絡み合った感情があるようだ。
そこに萌と咲恵が加わり、5人の女たちの16年にわたる、ただならぬドラマが始まる。
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