――もともと、高校を卒業してすぐに劇団に入られたということなので、役者、女優というのに興味があったのかなって思ったんですけど。
実はそれが、そういうのがなく。女優さんになりたいっていうのはゼロではなかったんですけど、高校の時にバンドをやってて、ドラムだったんです。ギターやボーカルがお客さんの方に煽りに行くのを、私は動けずに黙々と叩いてた時に「ちょっと今、私のおいしいところやのにかぶっとるがな!」とか「いいなぁ、ソロで前に出て行くの楽しそうやな」っていうのがあって(笑)。ちょっと動けるものもやってみたいなって。歌も歌ってみたいし、ちょっとお芝居やってみようかなって。
――バンドとは違う表現をやってみたいなと。
そうなんです。学校に行ったりしようかなって思ったんですけど、母親も「あんた、劇団に入ったらええねん。場数や場数!」っていう親やったんで、一回もみたことの無い劇団に応募して(笑)。「大阪 劇団」で検索してみて一番上に出てきた劇団のオーディションを受けに行って、「作品は見たことないんですけど」って、失礼な話なんですけど。
――今思えばね(笑)。
そう、今思えば、失礼な話なんですけど、ありがたいことにとっていただいたので、5年くらい劇団で演技をやらせてもらっていたので、あまりドラマとか映画とか、ほとんど見ない方でしたし、お芝居とかもってのほかで。
――劇団ではどんな役を?
だいたい怒ってましたね(笑)。プッツン系が多かったです。それこそアイドルの役とか。若い女子が劇団員に少なかったというのもあったんですよね。関西小劇場って言われてたところだったので、18とか19ぐらいの女の子って全然いないので重宝してもらえたんですけど、22とか超えたあたりからいろんなところでやってみたいなというのを感じて。
――視野を広げてみようかと。
はい、それで東京に出て行こうかなって。
――それが2013年の春ですね。
そうです。上京して、ぼちぼち頑張って行こうかいなって思っていた時に、たまたまアイドルのグループの募集があって、そのグループの曲、1曲も知らないけれど、とりあえず受けに行ってみようかなって。
――そういうタイミングで募集があったというのは何か縁があったのかもしれないですね。
そうかもしれないです。常にそうやって縁でつないでいただいてて、お芝居をやってる時も大人計画が好きで、芝居を始めてから。大人計画をきっかけに舞台っていいなって思えたので、バンド、グループが楽しいとか、そういう演劇とバンドというのが近かったりして、演劇に行くことがあって、そこで知り合った人のつてで東京に行くことになったり、やっぱり人がずっとつないでくれてて。
今、アイドルっていう職業に就いてからも、ちょいちょい舞台とか、そういうお話を人の縁から継続的にいただくことがあって、ひょんなことからバラエティ番組に出させてもらって、そのバラエティも自分的にも楽しいすごくいい収録だったんです。それも一回だけの出演で終わってもおかしくないところで、いろんな方が面白かったよって言ってくださって、いろんなところに呼んでくださって。
テレビの世界って汚いというか、ちょっと怖いイメージがあったんですけど(笑)、本質はみんなで大人数で一つのことを、時間とお金と情熱をかけて何かを作るというのはバンドも劇団もアイドルもテレビも全部一緒なんですね。エンターテイメントを作る世界が私は好きだなって思うし、それをつなぐ人と人との縁だったり、交わりが好きなんだなって思ったので、だから肩書きとかにはこだわりがなくて、なんでもいいんです。
――なるほど。
ただ現場にいることが喜びだし、楽しいので。それぐらい縁とかを大切にしたいと思っているので、裏切りとかに対してはボコボコにしたいぐらい腹が立ちますし、でもいいものができたら、「ここにいれてよかった!生まれてきてよかった!」って感動するので、そういう作品作りに携わっていけたらいいなって思います。「凪のお暇」は初めてのレギュラー、連ドラレギュラーですけど、こんな素敵な作品、こんな素敵な現場に入りこめるっていうのはすごくうれしいなって思います。
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