個人的にこっそり妄想していた高嶋ソロライブセットリストが漏れていたかのようなドンピシャ選曲。そう、この倖田來未バージョンの「キューティーハニー」のキーは絶対に合うと思っていたが、想像を遥かに超えるドンピシャ具合だ。
単純に「イヤよ~」のキューティーさに持っていかれたファンも少なくないだろう。
その後のMCで、ナチュラルに「今日はセクシー高嶋で行くから、一応最年長なんで」と言えちゃうあたりが高嶋のざっくばらんな魅力だし、「熱中症になったら大変だからしんどかったら手を挙げて! 菜七が迎えに行くから」と言っちゃうあたりがサービス精神旺盛な彼女らしい。
「続いてしっとり系の楽曲を…」と言い、テイラー・スウィフトの大ヒット曲「Love Story」を歌う。
これは高嶋がTPDに入る時のオーディションでこの曲を歌ったという大切な楽曲であり、1年前の結成5周年ワンマンでも披露していた曲だ。
全編英詞の同曲を“しっとり”かつ、決意に満ちた歌声と表情で歌い上げると、続いては人気ロックバンド・ONE OK ROCKの「Wherever you are」。これは完全にハートを持っていかれた。
もともと女性が歌う男性バンドの歌推進委員会の副会長代理を務めるだけあって、筆者はこの手のカバーが大好物。
特に高嶋のような有無を言わさぬ歌唱力を持つ女性が歌うと、そんなに原曲に思い入れがなかったとしても自然と涙があふれてくる。本人には即答で「無理」と言われてしまったが、オールナイトでこの歌声を浴びていたい、とすら思った。
もっともっと大きなステージに、このどこに出しても恥ずかしくない歌声が響く日が来ると良いな、としみじみと思っていると、さらにしみじみとさせられる楽曲を用意していた。
それはTPDがCDデビュー前に行っていた舞台「PLAY×LIVE『1×0』」のエピソード1の挿入歌で、「私にとっても大事な曲です」という「Lost Without you」を披露。
それこそ古くからのファンと思われる人たちはじっとステージの高嶋を微動だにせず見詰めて、やや潤んだような瞳をしていたのは気のせいではないだろう。
そしてカバー曲ブロックも終わり、後半戦1曲目は、某チャラ編集者を一発でTPDの虜にした「It's Up To Me」。
もちろん幅広いジャンルのカバー曲を歌う高嶋も魅力的だが、TPD楽曲を歌う高嶋には安心感しかない。続いて大先輩の代表曲「恋しさと 切なさと 心強さと -Rearranged ver.-」。
こちらもすっかり自分のモノにしている印象で、ファンもすっかり高嶋の歌声に心強さを感じている様子だ。
本編最後は彼女のソロ代表曲と言ってもいい「Darlin'」。短めのイントロが流れた瞬間「ウォー!」の声が上がったのも当然だろう。
この時点でメドレーの楽曲もバラしてカウントすると16曲歌っている高嶋。「こんなに1人で歌ったことない! でも、めっちゃ楽しかったです! ありがとうございました~!」とあいさつし、「アンコール待ってます。ありがとうございました」と高嶋らしい“おねだり”をし、会場を後にした。
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