加藤雅也「影響を与える映画に」男の世界を描いた主演作を松本利夫と語る<Interview>

2019/08/23 07:15 配信

映画 インタビュー

加藤雅也と松本利夫が男の世界を描く(C)BUGSY


撮影時に触れたお互いの“陰”とは?


――本作のキーワードの一つである「かげ」。撮影時、お互いの“陰”に触れたことはありましたか?

加藤:まっすん(松本)は人が良さそう、優しいとか。男っぽい世界にいて、好青年というイメージがあったけど、信冶(カトウシンスケ演じる)をパーンとさばくシーンでは、「あっ、ちょっと狂気の人なんだ」って思いました(笑)。「容赦なくたたくなぁ」って。まぁ、陰とは言わないけど、優しい一面とピシッと厳しい一面を見た気がしたね。

うそで不良を演じている人っているじゃないですか。そういうのじゃない、ピシッとした面を感じた。上下関係がちゃんとした世界にいる人っていうの? あの時に「おっ!」と(感じた)。

松本:加藤さんはむしろ、陰だらけの人なんだろうなぁと(笑)。第一印象の前に、映像で見た印象が陰だらけだったので。

加藤:偏ったやつばかりを見たんじゃないの?

松本:そうなんですかね。

加藤:(撮影期が)前後しちゃっているけど、朝ドラなんてどう見たって“陰”ないやん(※加藤は2018年10月期のNHK連続テレビ小説「まんぷく」に喫茶店店主役で出演)。陰、なさすぎっ!

松本:そうなんですけど(苦笑)、でも、イメージがそうなんですよ。

加藤:何かのイメージでね。印象が。

松本:そうです。渋くて、口数少なくて、いつも暗いバーでバーボンとかを飲んでいそうな(笑)。葉巻を吸っているとか。だけど、逆なんですよ。一番明るい。現場によっては、どうやってコミュニケーション取ろうかなぁなんてことがあるんですけど、そんなことは感じさせず、スッと入ってきてくれたんで、一番接しやすかった。

加藤雅也、松本利夫撮影=永田正雄


――どんなことを話していたんですか?

加藤:くだらないこと。印象に残っているのは、「最近の若いやつは、自分たちが生きてた時代と上下関係のあり方が違うよな」とか。

松本:ありますっ!

加藤:僕ら25歳ぐらいの時、先輩で50、60歳の人が「あいつらは違うな」って言っていたみたいなことを、今の僕らがやっていて、それだけ年取ったってことなんだけど。(当時は)言われていたと思いますよ、「あいつらはよ」って。