――泣かせるシーンでは、第10話でシロさんの浮気を心配し、小日向(山本耕史)と食事に行かないでと訴えるシーンが圧巻でした。
ケンジが言っていたとおり、大事な人がいるのに他の誰かに心が動いてしまう瞬間って、誰にでもあるでしょう。これが男女のドラマならありがちなシチュエーションでくどいけれど、男同士がやるからスッと入って来るのかも。西島さんともよく「このドラマは男同士だからこそ伝わるものってあるよね、そこが新しいよね」と話していました。また、今の時代、人間関係がぎすぎすしているけれど、そういうときに本当に好きな人とナチュラルに生活するという物語が今の人の琴線にふれたのでは。家族が一緒に食事をして喜びを分かち合うことは大事なのに、忘れさられている節もあるじゃないですか。だからこそ、シロさんとケンジが食事をする描写が際立っていたと思いますね。
――シロさんやケンジが作る料理がおいしそうだと評判になりました。内野さんのお気に入りメニューはどれですか?
出てきた料理はぜんぶおいしいですよ。原作者のよしながさんは家庭料理の研究家でもあるなと感心しました。その中でも印象的なのはクリスマスディナーの「ラザニア」。僕がプライベートでも作っているのは「明太子のサワークリームディップ」。これが超カンタンで超ウマいんです。どれもスーパーにある食材で作れますし、この作品で僕も料理にまめになって“ウチめし”にハマりました。僕ぐらいから上の年齢の男は、まだ「男子、厨房に入らず」という意識が残っている世代で、そう考えると、すごい変化ですよね。
――もし続編が作られるとしたら、またケンジを演じたいですか?
「もちろん」と言うところですが、今度はシロさんを演じてみたいですね。ケンジってO型的な性格というか、おおらかで細かいことを気にしないようなイメージなんですよ。ところが僕はAB型なので、細かくてパーフェクトを求めるシロさんのほうが実は分かりやすい。だから役を交代してみてもいいかな? 皆さんも西島さんのケンジを見たくないですか? 僕は西島さんが「おいしぃーい♡」「あまじょっぱい~♡」って言うのを見たいです(笑)。
取材・文=小田慶子
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