――内野さんは「ケンジを演じるに当たって、西島さんに助けてもらった」と語っていますが、西島さんが内野さんに助けられた点はありますか。
僕の演技は本当に内野さんに引っ張っていただいたもの。内野さんは他の作品で歴史上の有名な人物を演じるときも「実はこういう人間だったのではないか」と思わせるほど、自分のものにしていかれます。今回は、日常のささやかな喜びとか悲しみを演じることで、「この人はどれだけすごいんだ」とあらためて感じさせてくれました。その才能、すごみを僕は一番身近で感じていましたし、ひとりの視聴者としても毎回、感動していました。ですから、今回の主演男優賞を内野さんが受賞したのは、僕だけでなくドラマファンなら満場一致で納得できる結果ではないかなと感じます。
――撮影中、内野さんとはかなり親密になり、監督の裏話によると「西島さんが、内野さんの夢を見たとうれしそうに言っていた」ということですが…。
そんなこともありましたね(笑)。もう夢の内容は忘れてしまいましたけど、現場で「寝るときに内野さんのこと考えて寝ますよ」と伝えたことはあります。現場での内野さんはとにかく目の前のワンシーンに全エネルギーを投げ出すような人で、なんて言ったらいいのかな、同じ俳優として本当にこうありたいなと思うし、良い意味で“役者バカ”だなと思いました。一見なんでもないシーンでも、自分を丸ごと盛り込むような人ですよね。なにより共演していて楽しくてしょうがない。
――もし、続編が作られるとしたら、内野さんとまた共演したいですか?
ドラマの撮影が終わったとき、内野さんとは感謝の言葉を交わしましたが、「俺たちが目指しているのはもっと高いところだから、もっともっと行けると思っています」というメッセージをいただいて、その言葉が自分の中に強く刻まれています。もし、そういう機会があればぜひ一緒にやらせていただきたいですね。そして、シロさんとケンジの愛情がより深くなった関係を演じられたらいいなと思います。
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