俳優随一の“かわいい男子”千葉雄大が、ドラマ「盤上の向日葵」(毎週日曜夜10:00-10:50、NHK BSプレミアム)で新境地を開いた。柚月裕子の同名小説を原作に、過酷な運命を背負って棋士の頂点を目指した青年・上条桂介役は、これまでの千葉のイメージとは異なる“孤高の天才”。役作りや現場の様子を聞くとともに、本作でNHKドラマ初主演となる千葉が同局での野望を語ってくれた。
――今回は天才棋士を演じますが、将棋のご経験はあったんですか?
将棋の世界は加藤一二三さん、藤井聡太さんを知っているくらいで、まったく詳しくなくて…。この作品がきっかけで、実際の対局を見させていただいたのですが、無言の緊張感があって、演じる際の参考になりました。
将棋を指す役は2度目だったんですけど、こんなにきちんと演じるのは初めてで、振り返ってみると、どのシーンよりも将棋を指すときの手元の寄りは緊張したなって思います。
これまでコミカルな役どころが多かったので、周りの方から「新境地だね」と言っていただくことも多くて、うれしいですね。
――本作では言葉ではなく、表情で語るシーンが多いですよね。
そうですね。特に棋盤の上にひまわりが咲いて次の一手をひらめく場面は、演出家の方と相談しながら目線までこだわっています。
僕は撮影の時、自分の演技を客観的に見ていることが多いんですけど、今回は初めて客観視できなくなる瞬間があって、それだけ役に入り込んでしまったように感じます。もちろん、いつも役に入り込んではいるんですが(笑)、より上条という人に寄り添えたのだと思います。
とくに渋川清彦さん演じる父親から、過去の真実を告げられるシーンでは涙がずっと止まらなくなって、自分がこんなふうになるのかと驚きました。
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