──薫子母子に肩入れし過ぎておかしくなっていた彼氏の祐也(坂口健太郎)がようやく正気になって戻ってきたときに、川栄さん演じる真緒が言うセリフですね。
小沢「そうそう。他にも、脳死になった瑞穂の弟と従妹が、抱えてた秘密を泣きながら告白する場面がそれぞれあって、その辺も胸が痛くなる名シーンだし。それ以外にも太字にしたい名セリフがすごく多い映画なんだけど、実は今回、俺が本当に選びたかった名セリフはその辺じゃないんだよ。というのも、この映画のなかには、俺が人生で一度は言ってみたいと思ってるセリフが出てきたの」
──ほう、それはどのセリフ?
小沢「川栄さんがタクシーに飛び乗って言う、『前の車を追ってください!』」
──まさかの、それ?
小沢「そう。今回のシビれる名セリフは、『前の車を追ってください!』(笑)。あのセリフ、一度でいいから言ってみたいのよ~。言ったことないし、今後も言う機会ないと思うんだけど。あれを言われたら、タクシーの運転手さん、テンション上がるよね」
──ただ、小沢さんだったら、逆に誰かにそれを言われてる可能性ありますよね? 小沢さんが乗った車を、マスコミとかファンとかが追いかけようとして。
小沢「えっ?……言われてみれば、そうかもしれない。え~、怖いな……」
──いや、そんなに怖がらなくてもいいです(笑)。
小沢「まあ、とにかくそんな感じで、『人魚の眠る家』は俺が好きな要素の多い作品でした。とはいえ、たぶんこれを映画館では観ないのよ、俺は。映画館だと周りを気にして泣けないしさ。でも、自宅でなら必ず観ると思うんだ。アップが多いのもテレビサイズで観るのにちょうどいいし、周りを気にせず思いっきり泣けるし、まさに家で観るにはピッタリの作品だと思います! ……っていう感じなら、いいシメでしょ?(笑)」
愛知県出身。1973年生まれ。お笑いコンビ、スピードワゴンのボケ&ネタ作り担当。書き下ろし小説「でらつれ」や、名言を扱った「夜が小沢をそそのかす スポーツ漫画と芸人の囁き」「恋ができるなら失恋したってかまわない」など著書も多数ある。
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