「なつぞら」名シーンを振り返った中川に、長い撮影を通して意識していたことを聞いた。「こうして年を重ねながら、一人の長い人生を演じるのは初めて」という中川は、「坂場一久という人間を変化、成長させていく、その過程を作るのはとても楽しいことでした。キャラが変わるというより、もともとある内面が次第ににじみ出てきたり、いろいろな表情が見えたり…時間をかけて人が変化していく姿を描ければいいなと思って演じていました」と明かした。
ただ、「意図的に芝居を変えることはあまりしていない」という。はじめは、物語の進み具合に合わせて職場での坂場のなじみ方などを考えていたが、途中からそれもしなくなった。
「というのも、仕事の内容も周りの人も変化するし、なつと結婚したり、2人が親になったり…環境が変わっていくので、自然とお芝居も言葉遣いも変わっていくんですよね。話し方のトーンやテンポ、動き方は年齢による変化を意識的に加えてはいるんですが、キャラの変化に関しては、感じたままにやろうと思うようになっていって。撮影とともに、時間も時代も流れていく。その中で瞬間、瞬間、出てきたお芝居がそれだったという感覚なんです」と語った。
9月28日(土)には、いよいよ最終回を迎える「なつぞら」。中川は、「ドラマは終わるけど、物語としては“ここが始まりなんだ”という終わり方だと、僕は感じました。アニメーションの歴史でいえば、坂場やなつたちが立っているのは入り口の入り口。この先の未来を想像できるような最終回になっていると思います」と、その結末を予告。
「それから最後になっちゃんが作るアニメーションは、北海道で育ち、いろんな人と出会い生きてきた彼女の人生、これまでの経験が込められた作品になっているので、そこも楽しみにしていただけたら。そして、最後まで見届けて良かったと思ってもらえるキャラクター、作品になっていたら、演じた側としてもすごく幸せです」と思いを語っていた。
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