――また今回の映画は、制作費をクラウドファンディングで募るという、品川監督にとって初の試みも行われています。品川さんは以前、ブログに〈クラウドファンディングって、始める前は『お金を集めるってどうなの?』って思う部分もあった〉と書かれていましたが…。
品川祐:何年か前に映画祭で海外へ行った時に、クラウドファンディングというものがあるって教えてもらって、そこで初めて知ったんですけど、そのときは、日本人にはあんまり向いてないんじゃないかなって思ってたんですよ。少なくとも、自分でやろうとは全く思わなかったですね。
――けれど、その後に続けて、〈(クラウドファンディングを)やってみたら、たくさんの『粋じゃん』に巡りあえる〉と書かれています。
品川:映画って、最初に予算が決まって、撮影して、出来上がった作品を公開して、その興行収入でお金を回収していくわけですけど、クラウドファンディングというのは、お客さんが映画を見る前にチケット代を払ってくれるっていうことなんですよ、分かりやすく言うと。しかも、お金と一緒に、応援する気持ちも届けてくれる。これはうれしいですよね。
何年か前から映画を撮り続けてますけど、映画館で会ったお客さんが喜んでくれる姿を見るのが、やっぱり僕は一番うれしいので。クラウドファンディングっていうのは、そういう熱心なファンの人たちと、映画が完成する前に出会うことができる、というか。
この間も、まさにライブのシーンの撮影で、クラウドファンディングを通じて集まってくれた方たちがエキストラをやってくれたんですけど、異常に盛り上がりましたからね。本当に「みんな、粋じゃん」って思いました(笑)。
――品川さんの新作映画を早く見たい、応援したいという人たちの熱が伝わってきたわけですね。
品川:あのシーンは、それだけじゃなくて。ヒロインが所属してるアイドルグループのライブのシーンだったんで、アイドル役の子たちのファンがいっぱい来てくれたんです。
──「アイドル役の子たち」というのは、品川庄司がMCを務める「MIRAI系アイドルTV」(TOKYO MXほか)にも出演している今野優月さんや渚カオリさんですね。
品川:そうです。彼女たちのファンの熱気が、ものすごくて。アイドルオタクって優しいんだなって、大好きになっちゃいました(笑)。
――先日撮影を終えたばかりとのことですが、なんでも撮影期間はわずか8日間だったそうですね。スケジュールに対する戸惑いはありましたか?
品川:とにかく「この日に撮らないとアウト」っていうシーンの連続で。「リハ(リハーサル)なしで(カメラを)回しちゃおう」とか、「今、何時? じゃあこれも撮っちゃおうか」みたいなことばっかり言ってました(笑)。でも、それが逆に、作品のパワーになってるんじゃないかなと。そのへんの勢いみたいなものは、ちゃんと画(え)の中に落とし込めている気はします。
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