演劇の面白さが体感できる“楽しいお祭り”「関西演劇祭」9.21開幕!<板尾創路&西田シャトナー インタビュー>

2019/09/20 22:15 配信

芸能一般

演劇人に必要なのは、未来への“願い”と、それを伝える力


「関西演劇祭」の“鑑賞法”を尋ねると、二人で口をそろえて「とにかく自由に見て、楽しんでほしい」と話す板尾創路&西田シャトナー


──では、演劇人に必要な資質とは?

西田シャトナー:演劇には、見る人に何らかの影響を及ぼす…時には、見る人の人生さえも変えてしまう力があると思うんですね。だからこそ、作り手の中に、未来につながる“願い”がなければいけないと僕は思っていて。作るにしろ演じるにしろ、演劇の技術なんてものは、訓練さえすれば身に付きますし、努力次第では、天才と言われるレベルに到達することもできる。でもそのときに、未来への願いを持っていないと、ちょっと恐ろしいものを生み出してしまう可能性もあると思うんです。

板尾創路:要は、観客に何か伝わるものがあるかどうかだと思うんですよね。シリアスでもコメディーでも、不条理でも、どういう内容にしても、お客さんに何か持って帰ってもらえるものがあるのかどうか。それは「この発想、すごいな」でも、「この俳優さんに釘付けになってしまう」でも、何でもいいし、お客さんそれぞれの受け取り方次第なんでしょうけど。でも、作る側が何にも持ってなくて、役者がただ板の上で演技をしてるだけ、みたいなものだと、こちらは何も受け取りようがないですから。怒りさえも起こらない(笑)。だから、何かを伝えようとする姿勢は、最低限必要なのかなと思いますね。

──最後に、「関西演劇祭」はこういうふうに楽しんでほしい、といったお薦めの観賞法はありますか?

西田:いえ、とにかくもう、自由に楽しんでいただければ。逆に、皆さんがどういうふうに楽しもうと思っているのかを知りたいです(笑)。

板尾:でもほんまに、どういう感じの人が見に来るんでしょうね。各劇団の知り合いも来るやろうし、初めてその劇団を見るっていう人もいるやろうし。あと、お芝居自体を生まれて初めて見るって人も…いるかどうか分からないけど(笑)。

西田:毎公演、2つの劇団が出てくるので、応援している劇団を見に来た人が、そのつながりで、もう一つの別の劇団を見ることになるわけですよね。その、知らない劇団を見たお客さんがどういう反応をするかっていうのは、すごく興味深いです。「あれ、こっちの方が面白いかも」なんて思うこともあり得ますもんね。

板尾:それでも頑なに、自分が応援している劇団しか見ないという人もいるんでしょうけど、それはそれでまた面白いと思いますね。とにかくお客さんには、自由に見てほしいです。