「常に寄り添ってくれる存在」中川翔子が選ぶ“マイベスト・ディズニーソング”6選

2019/12/04 16:00 配信

音楽

●リメンバー・ミー/映画『リメンバー・ミー』 「生きなきゃ」と考えさせられる作品


リメンバー・ミー (オリジナル・サウンドトラック / デラックス・エディション)(c)Disney/Pixer


ここ数年で上映された作品のなかでも、印象的だったのがこちら。舞台がメキシコなので、メキシカンな明るい楽曲も楽しいんですが、この歌はすごく響きました。映画館でも見たけれど、自宅でも何度も見ています。

主人公の少年が「死者の国」を訪れて、亡くなった方と向き合うというテーマも素晴らしかった。生者の国で写真を飾ってもらえている人だけが、1年に1回だけ生者のもとへ戻れるという設定にも、ハッとさせられるというか。

心の中では想っていても、ちゃんと写真が飾られていない人は忘れられていく。つまり、「覚えてくれている人が全員死んでしまったら、人は本当の意味で死を迎える」という。確かにそうだなと思い、私もちゃんと父の写真も飾るようにしましたね。

なかでも好きなシーンは、死者の国の場面! みんなそれぞれに歌ったり踊ったり、めちゃくちゃ明るくて、暗さがない。「死者の国、ちゃんと楽しそうでよかったな」ってほっとしました。そうであってほしいし、鮮やかな色が重なる映像にも引き込まれますよ。

●輝く未来、自由への扉/映画『塔の上のラプンツェル』 歌うのもすごく楽しい2曲!


塔の上のラプンツェル (オリジナル・サウンドトラック)(c)Disney


主人公・ラプンツェルの声を担当した、私のなかでも特別な作品です。日本での公開が震災と重なったため、当時、舞台挨拶が延期になりました。震災後10日目ぐらいだったかな? だんだん映画館が開き始めたころに「お客さんはどんな反応をしているかな」と、勇気を出して劇場へ行ったんです。そしたらみなさん、声を出して笑ったり、泣いたりしていて。「映画って、ディズニーって、人の心に光を灯すことができるんだ」と、じんとしたのを覚えています。

「輝く未来」をコンサートで歌わせていただいた際に、何も言っていないのにお客さんがオレンジのペンライトを灯してくれたのも思い出深いです。まさに作中のランタンが飛ぶシーンのようで、あの景色は一生忘れられません。

そして「自由への扉」は、好きなことをどんどん行動に移し、夢を絶対叶えたい!と歌っているラプンツェルらしい楽曲。ラプンツェルが掃除や編み物などをしながら歌う曲なので、実生活でも歌いながらお掃除をするとはかどります。「本気で掃除をしたあと、モップをかけて床を磨く」という歌詞に押されながら、本気でフローリングワイパーをかけたり(笑)。男女のデュエットボーカルだけど、頑張ればカラオケで1人でも歌えちゃいますよ。

どうにもならないときこそ、ラプンツェルのことを思い出す


ラプンツェルはすごく好奇心旺盛で、絵を描いたり、お菓子作り、ギターと、すごく多趣味。いろんなことを全力で楽しむぞ! という気持ちに満ちあふれている女の子です。でもそれは、18年間も塔の中に閉じ込められていたからで。

友達のカメレオン・パスカルとお母さんにしか会わないのに、髪の毛はつやつや&さらさら、美容にも気を使っていて、もう見習うポイントしかない……。なのでラプンツェルの姿を想像すると、生活の質が上がりますね。休日に引きこもっているとき「ラプンツェルだったらいろんなことをやっているはず」と想像すると、ダラダラせず、ゲームもしながら料理して、歌って、絵を描いて、ああ、やっぱり外に出掛けよう! ってマインドになります。

人生は時に理不尽なこともあるけれど、ラプンツェルはその中で最大限に楽しもうとする。普通18年間も塔の中にいたら、外の世界が怖かったり、コミュ障になりそうじゃないですか。彼女自身も情緒不安定だったりへこむこともあるけれど、今の瞬間を全力で楽しむ姿に、周りも惹かれて導かれていくんですね。

だからどうにもならないときこそ、この曲を聴いてほしい。「こんな逆境のとき、ラプンツェルだったらどうするだろう?」と、ひと息つけるんじゃないかな。

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