ムロ演じる高田は、マ子(天海)の部下であり、幸枝(吉永)とマ子の旅のサポートをするという役どころ。
大女優2人との共演について、ムロは「本当にうれしい日々でした。天海さんと上司と部下という関係で楽しくお芝居させてもらいましたし、台本を読んだときに、最後に幸枝(吉永)さんと向き合ってお芝居をするという、こんな役を私がやっていいのかと」と恐縮しきりの様子。
続けて「毎日緊張感もあり、楽しい日々でしたが、台本上で私が一番楽しみにしていたのがですね、スカイダイビングから降りて、『元気がない高田を介抱する幸枝。膝枕をして(もらって)いる高田』。台本にはそう書いてありました。そこにマ子社長が来て『デレデレしてんじゃないわよ』と言われる、これが台本です!」と、おもむろに語りだす。
観客の笑い声でざわつき始める中、さらに続けてムロは「いざ、テストでやってみたらですね、膝枕に行く途中に、マ子社長が『ノー膝枕!』っていう、アドリブですね。完全に台本にはない『ノー膝枕』というせりふのせいで、一切幸枝さんに近づけず、“小百合”と“ムロさん”はくっつけられず…。えっと、すみません! 今呼び捨てしちゃった! 俺をさん付けしちゃった。緊張し過ぎて(笑)。
で、小百合さんとムロがくっつく前にノー膝枕。何回やってもノー膝枕なんですよね。監督も一切何も言わず、そこはこの映画で唯一の天海さんと監督へのクレームですね」とまくしたて、恨み節。
これに天海はあやすように「残念だったですね~。今回はたぶん無理、次回でお願いします」と言うと、ムロは「そんな毎回膝枕のシーンはないでしょう!」と苦笑い。
アドリブを入れた真意を聞かれ、天海は「立場的に、高田が甘えているというのが許せなかったんだと思います。マ子さん的にね。天海じゃないです。私が飛び降りてきているのに、何だ?っていうことだと。何甘えてんだよ!ってね」と明かした。
それを受け、実際に役者たちの演技を止めなかった犬童監督も「僕も見ていて、(天海と)同じ気持ちになりました」と、天海と同じ思いでそうしたことを告白。
実際にムロとの“接触”を天海に防いでもらった形になった吉永は「私は、マ子さんに付いて行きます」と笑顔でまとめた。
取材・文=尾形正奈
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