空族・富田克也&相澤虎之助が「活弁シネマ倶楽部」で最新作『典座-TENZO-』を語る!

2019/10/10 13:32 配信

映画

映画を語るWEB番組「活弁シネマ倶楽部」#52に、カンヌ国際映画祭「批評家週間」特別招待作品である『典座-TENZO-』の監督・富田克也、脚本・相澤虎之助がゲスト出演した。

「活弁シネマ倶楽部」に出演した空族の富田克也(右)と相澤虎之助(左)


映画監督をはじめとする業界人らがほぼノーカットで好き勝手に語り倒す、映画マニアが密かに集うWEB番組「活弁シネマ倶楽部」。毎回映画マニアが思わず話を聞きたくなる作品のチョイスやキャスティングで、局地的に話題を集めている。

映像制作集団「空族」の一員として、独自の制作スタイルを持つ二人は、2016年の作品『バンコクナイツ』で第69回ロカルノ映画祭「若手審査員・最優秀作品賞」を受賞するなど、海外でも高い評価を受けている。

今回は、本作の主要なテーマとなる「3.11」以降の日本社会と仏教の在り方について、また住職らが自ら出演して描いた本作についての一部始終、そして空族の過去作などについて語った。

「カンヌなんて無理に決まってるから、出したことにしようって(笑)」(富田)


今回語られる作品『典座-TENZO-』は、10年前、本山での厳しい修行期間を終えた河口智賢(僧名・チケン)と兄弟子の倉島隆行(僧名・リュウギョウ)が自ら出演する、ドキュメンタリーとフィクションの枠を超えた作品。

住職を務める智賢(ちけん)は、本山での修行によって食物のアレルギーが完治した経験から、「高度に発展した現代社会にこそ仏教の教え、その中でもとりわけ日常全ての人間が行う“食”に関する問題が大切なのではないか」と考え、本作の製作を思いついたという。

全国曹洞宗青年会からのオファーについて、富田は「プロモーションビデオかなと思ったんですけど、『プロモーションビデオじゃなくて短編映画で』って言い直されたんですよね。

世界仏教徒会議という、毎年いろんな国で開催されている会合があるんですが、2011年の会場が日本になって、曹洞宗がホストを務めることになったので、そこで上映するための(短編映画)ってことだったんです。

倉島さんから『完成の暁には、カンヌ国際映画祭の短編部門に出したいんです』と言われたんです。僕らとしては『最善を尽くします』としか言えなかったです(笑)」と、最初は映画業界のことをわかっていない無茶な注文だと思っていたことを告白。

結果的に、彼らの願い通り第72回カンヌ国際映画祭に見事選出されたことについて、「ビックリしました。誰も信じていなかったし、正直『無理に決まってるから、(カンヌに)出したことにしよう』って裏で言っていたくらい(笑)」と、富田自身も彼らの思いに後押しされた経緯を明かした。