“寅さん”の母を演じる井上真央、「映画館に行く楽しさを教えてくれたのは寅さん」

2019/10/19 17:00 配信

ドラマ インタビュー

「少年寅次郎」で主演を務める井上真央(C)NHK

10月19日(土)に井上真央主演のドラマ「少年寅次郎」(毎週土曜夜9:00-9:50、NHK総合)がスタートする。

国民的映画「男はつらいよ」シリーズで監督を務めた山田洋次が寅次郎の少年期を描いた「悪童 小説寅次郎の告白」をドラマ化した同作。

脚本を岡田惠和が担当し、寅次郎の出生の秘密から戦争を挟んだ“悪ガキ”時代、そして妹・さくらに見送られて葛飾柴又から旅立つ14歳までを描き出す。

井上が演じるのは、映画シリーズには登場しない寅次郎の育ての親・光子。東京葛飾柴又の団子店、くるまやの前に置かれた赤ん坊を誰の子か承知の上で育てることを決めるという強さと優しさを兼ね備えた女性だ。

井上に1話の撮影中のエピソードや映画「男はつらいよ」シリーズへの思い、岡田惠和作品の魅力について聞いた。

「考えさせられる1話になっていたなと思いました」


――第1話をご覧になっての感想を教えてください。

子どもたちの無邪気な笑顔に溢れた、もっと“跳ねた”回だと思っていたのですが、登場人物ひとりひとりの葛藤や寅ちゃんの切なさが出ていて、考えさせられる1話になっていたなと思いました。

――井上さん演じる光子も「捨てられていた赤ちゃんの父親を知りながら育てることを決める」という姿が描かれていましたね。

あの懐の深さはなかなかないですよね。ああいう運命を受け入れる覚悟を持った強い女性だなと思います。

――1話の中で印象的な場面はありますか?

くるまやの前に捨てられていた寅ちゃん(寅次郎)を抱きかかえるシーン。台本にト書き(俳優の動きなど演出を説明する文章)はあったもののせりふがなかったので、台本を読んだ段階で「これはやってみないとわからないな」と思っていました。

演じた後にもこれでいいのかなと思うところがあって監督にも相談させていただいたり…。悲観的には見せたくないなと思っていたんです。

「これからどうしよう」という迷いもあるけれど、抱いている寅ちゃんにどうしても愛情が湧いてしまう。光子さんの深い懐や優しさが見えるシーンにしたいと思ったので、とても悩みましたね。