──高校生たちの青春を描いた本作ですが、石川さんご自身の高校生活はどんな感じでしたか?
石川由依:私は男女別学だったので、あまり男子と関わることがなくて。高校生の時には既に仕事をしていて、舞台に出たりしていたので、今回の「モテメン甲子園」のような、学校の友達と一緒に、何か一つのことに一生懸命打ち込んだっていう思い出も全然ないんです。今思うと、それはやってみたかったことの一つではありますね、
高校時代で一番楽しかったのは、受験の時期でしょうか。受験も直前になってくると、学校へは自由登校になるじゃないですか。でも私は、とにかく毎日学校に行ってたんですよ。その頃、一緒に毎日学校に来ていた友達たちと、一生懸命勉強していた時期は、すごく思い出深いですし、その友達とは今でも仲良くしています。
私は、高校3年の時に声優の仕事を始めたんですが、その時は何も知らないまま声の仕事の世界に飛び込んでしまった、という感じで。舞台のお仕事もやっていて忙しかったけれど、だからこそ、仕事も学校生活も、どちらもちゃんと全うしなきゃいけないと思って、とにかく学校を休みたくなかったんです。おかげで、高校3年では皆勤賞を取りました(笑)。
──その頃から、声優になるのが目標だったんですか?
石川:いえ、もともと声優になるという選択肢はなかったです。当時所属していた劇団の中でも、声優の仕事をしている子は限られていて、私は、「すごいなあ」っていうくらいの気持ちでその子たちを見ていました。
でもある時、たまたまアニメのスタッフの方が、私が出ている舞台を見に来られて、オーディションに呼んでくださって。それがきっかけで私は、ヒロイン役(「ヒロイック・エイジ」[2007年、テレビ東京系]のディアネイラ役)で声優としてデビューさせていただいたんです。最初は、どうやって声優さんが声を当てているのかも、現場に行くまで全く知らなかったので、先輩やスタッフの皆さんに一から教えていただきました。その後、「進撃の巨人」にミカサ・アッカーマン役で出演させていただいてからは、声優の仕事も頂けるようになって。ですから、ミカサを演じたことは、自分の中で声優として大きなターニングポイントになったと思います。
──石川さんが声優の仕事をする上で大事にされていることは?
石川:どんなキャラクターを演じるときも、説得力のあるお芝居ができたらいいなというのは常に考えています。作品によって、リアルに演じた方がいいのか、逆に2次元だからこその演じ方がいいのか、という選択肢があると思うんですが、いずれにしても自分が演じるキャラクターがそこに存在している、今をちゃんと生きている、という風に見えるような、そんな説得力を持ったお芝居をするのが目標です。
──最後に、映画「キミだけにモテたいんだ。」を楽しみにしているファンの皆さんへ、メッセージをお願いします。
石川:一生懸命、一つのことに打ち込む5人の男子を見て、彼らと同年代の方はきっと「こんなこと、あるなあ」と思うでしょうし、大人の方は、高校時代を思い出して懐かしい気持ちになったり、「あの頃はバカやってたなあ」って、ちょっと笑ってしまうところもあると思います。格好いい彼らだったり、残念な彼らだったり(笑)、そんな男子5人とホリコが、ちょっとだけ大人になっていくさまを見届けてもらえたらうれしいですね。
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