今年の春、ひょんなことから映画「男はつらいよ」49作を全部観る!という無謀な決意をし、DVDを借りては一人でせっせと見ていました。
渥美清さん演じる「寅さん」が他人事に思えず、「つらい、つらい」と言いながら一緒になって泣いたり笑ったりして……。
全部見終えた時には、今この日本映画に出会えて本当によかったなあと心から思いました。
そんな矢先、「寅さん」の生みの母親の役が来た時の気持ちといったら……。ご想像にお任せします。
とにかく、震えながらも、私の38年間の人生を込めて演じました。楽しんで見ていただけたら幸いです。寅さん、ありがとう!
山田真歩さんがお菊を演じると知ってから、4話におけるお菊のシーンが増えました。脚本家の想像力を掻き立てたのです。思いもよらぬ場面が追加されました。
山田さんは偶然、ドラマの出演が決まる直前に映画「男はつらいよ」全作をご覧になっていました。
さすらいの人・寅さんと、ご自身がどうやら似ているタイプだと山田さん。フーテンのつらさもわかるのだと話していました。そんな山田さんがどんなふうにお菊になるのか、我々もとても楽しみでした。
そして寅次郎との再会のシーン
生みの母・お菊との再会シーンでは、原作者の山田洋次監督もとてもこだわっていらしたのは、もうひとりの存在です。
寅次郎の担任教師、散歩先生です。
突然の母との対面に寅次郎は言葉を発する事もできない複雑な思いの中にいる。その時、散歩先生は両者の気持ちを痛いほど感じながら、どのような態度に出るか。見ている方と同じような目線で、どうするのか。
岸谷五朗さんを迎え、この三人の場面は一層豊かになりました。
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