――本作のオリジナルバージョンを聴くのも楽しみです。今回はL’Arc~en~Cielメドレーも盛り込まれていましたね。
TETSUYA「あれは、ニコニコチャンネルの中の僕の番組『TETSUYA SATURDAY KING RADIO』で、リスナーから募ったリクエストが元になっています。番組中、“L’Arc~en~Cielの曲もやってほしい!”という声もあったので、全部のリクエストに対して“やります、これもやります、はいOK!”と適当に答えていて(笑)。それを実現しました。
元々フルサイズで披露するつもりはなかったので、ギュッとメドレーにしてなら出来るよ、という意味で、“やります、やります!”とリクエストに答えていて、出来たのがあの形です」
――ものすごい盛り上がりでしたし、TETSUYAさんの美声が響き渡っていました。同じくL’Arc~en~Cielの「READY STEADY GO」は、初日だけでしたが、唯一この曲ではベースプレイをされましたね。
TETSUYA「それも番組に届いたリクエストです。ベースを弾いたのは去年(2018年)の12月(L’Arc~en~Cielの東京ドーム公演『L’ArChiristmas』)以来でした(笑)。リハ初日の当日、どこを押さえるのかだけ確認してスタジオに行きました」
――アンコールでは「瞳の住人」(L’Arc~en~Ciel)も披露。TETSUYAさんが誕生した時刻20時25分になると、曲の途中にも関わらず、バースデーを祝うコーナーが突如スタートしましたね。ボビー・オロゴンさんがケーキと共に登場するサプライズには爆笑が起きました。
TETSUYA「僕、MCで何をしゃべるかあまり考えていないので、MCの長さで時間が変わってきますし、どのタイミングにあのコーナーが来るかは事前に分からなかったんです。ただ、本編が終わって一旦ステージから下がった時に、“あと4分で出ます!”と舞台監督が言っていたので、急いで着替えるなど、いろいろ準備をしてたんですよ。
ということは、ちょうど次の曲が終わってMCのタイミングでその時間が来るのかな?と僕は思ってたんですね。それなのに途中で止まったから、“…なんやったん、あれは!?”と思いましたけどね(笑)」
――(笑)。楽しいサプライズでしたが、「曲を最後まで聴きたかったな」という思いも観客の間では沸いていたかと思うので、その後改めて歌ってくださったのがさすがだな、と。
TETSUYA「アウトロで止められたら“もういいでしょ?”って思いますけど、途中だったので。あのタイミングはいまだに謎ですよ(笑)」
――「50歳になって、自分が歌を歌う人になっているとは思わなかった」とMCでおっしゃっていました。49歳最後の日と50歳最初の日をステージ上で迎えられたことについて、どう振り返っていますか?
TETSUYA「サプライズでウチの親父を呼べばよかったな、と(笑)。“やり残したことは何?”と聞いたら、“歌手になりたかった”と言っていましたから」
――お父さまに1曲歌っていただけばよかったですかね(笑)。
TETSUYA「うーん。聴くに耐えない(歌)ですけどね(笑)」
――「お父さんとお母さんに感謝」というMCもありましたが、やはり、これまでのお誕生日とは違った感慨を抱かれましたか?
TETSUYA「まぁ、半世紀生きて来たわけですからね」
――長いですよね、かなり。
TETSUYA「本当ですよねぇ? 江戸時代なら死んでますよ!(笑)」
――(笑)。一昔前であれば、50歳といったら結構なベテランだと思うのですが、TETSUYAさんはお若いですし、まだまだというふうにお見受けするのですが、ご自身の意識としてはいかがですか?
TETSUYA「うん、まだまだですよ。自分が50歳だと思えないですもん」
――ご自身が抱いていらした50歳のイメージとは全く違いますか?
TETSUYA「全く違いますね。あんまり大人になっていないですよね、中身は」
――年齢を重ねて考えが凝り固まってしまう場合もありますし、「大人になっていない」というのはすごいことだと思います。心身共に若くあるための秘訣はありますか?
TETSUYA「うーん。自分では特に、思いつくことはないですけど…」
――なるほど。では、年を経るごとに、音楽に対する気持ちや、表現したい内容が変わってきた、というのはありますか?
TETSUYA「どうかなぁ?難しいですね」
――「いい曲を作りたい」という気持ちが変わらないまま、ずっとここまで来た、という感じなのでしょうか?
TETSUYA「そうですね。曲を作るのが好きで、“いい曲ができたな”と思うから“人に聴いてもらいたいな”と思うだけで。特に、言いたいことがあるわけでも、何か訴えたいことがあるわけでもないです。ただ単に“曲を作るのが好き”というだけです」
――その原点がずっと失われず、飽きたりもしないということですね。
TETSUYA「うん、飽きはしないですね。世の中にないものを作り出す、ということはすごく…すごくなんだろう。楽しい(笑)。楽しいですから。それが生きた証しにもなるじゃないですか」
――確かに。その「生きた証をつくりたい」というお気持ちが、例えば20代と比べると強まっていたりするのかな?と想像したのですが。
TETSUYA「昔も今も、そんなに深い考えは、大して何もないですよ。“生み出したい”というよりも、“生み出すことが楽しい”からやっているだけで」
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