――さださんのコンサートの楽しみのひとつでもあるステージトークはどうですか?
今回も長い話しをしていますよ。もともとコンサート中に落語のようなネタ話を始めたのは、僕の歌が哲学的な領域まで踏み込む内容だから、ずっと歌っていると、お客さんの眉間にシワが寄ってくるんです。詞の内容が真面目だからか、手を合わせて拝まれたこともある(笑)。「それは違うな。あくまで市井のひとりの歌うたいとして等身大の存在でありたい」と思ったので、自分の情けない話や失敗談を語るようになりました。でもね、僕のコンサートではお客さんがすごい。トークを聴いてワハハと笑っていても、歌を再開したとたん、すっと切り替えて聴き入ってくれます。
――さださんはデビューして46年もの間、活躍されていますが、お客さんも昔からのファンが多いですか?
そうですね。ずっとコンサートに来てくれている人もいます。今回は昔の曲も多いので、そういう人はご自分の人生と僕の歌を重ね合わせ、客席で涙を流してくれますよ。また、最近、増えているのは30代の女性。これはお父さんお母さんが僕の歌を聴いてくれていたという、いわゆる“第二世代”ですね。そして、定年退職後の60歳以上の男性も増えている。彼らがコンサートを見て「同世代のさだが一生懸命頑張っているから、俺たちもやるか」と思ってもらえたらうれしいですね。おっさんたちに影響を与える“おっさんたちの星”でありたいと思います。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)