――大人になってから古典芸能の魅力が分かるようになったとのことですが、何かきっかけはあったのでしょうか?
社会人になって色んなことを知ったからでしょうか。
テレビに出ている方も舞台と同じで、自分をどのように見せるか、“演出する”ということをされているんですよね。自分もアナウンサーという仕事をする中で、周りの方たちの表現の仕方、間の取り方、声の出し方などをよく見るようになりました。
それが舞台を観た時にも「この役者さんはこういう息遣い、こういう間合いで表現するんだ」とか、「こういう動きや振りで他の人との違いを出しているんだ」ということに気づくようになり、面白さに気がつきました。
子どもの頃は作品のストーリーを理解することで精一杯だったり、お化粧やお衣装などに目がいったりしていましたが、大人になってようやくそれ以外の楽しみ方も分かってきたと感じます。
それでもまだまだだと思うので、知識のある方とご一緒して教えていただきたいと思います。
歌舞伎にはイヤホン解説(公演中に同時進行で作品について説明をしてくれるサービス)もありますし、あらすじや気になる役者さんの情報も気軽に調べることができたりと、門戸はとても広がっていますよね。作品も現代風のものや漫画を歌舞伎化したものなど多様になってきているので、観る方それぞれの楽しみ方ができるのではないかと思います。
――番組内ではお父さまの高橋英樹さんが尾上菊之丞さんと踊りを披露する一幕もありましたね。
父と共演することは多々ありますが、踊りとなると一瞬にして顔が変わるというか…。本気になる瞬間を見たのは久しぶりだったので、娘としてはとてもうれしかったです。
――お父さまの踊っている姿というのはよく見てらっしゃったのでしょうか?
父は二世尾上松禄さんに踊りを習っていたので、国立劇場で行われる踊りの会などは観に行っていたのですが、子どもの頃だったのであまり理解できていなくて…。
久々に父の踊る姿を見ましたね。
父がテレビで活躍している姿も好きなのですが、舞台で輝いている姿もとても好きなんです。幼少期には父が公演していた明治座や地方公演にもよく行っていましたし、舞台袖から父を見て、「かっこいいな、すてきだな」と思っていました。
ですから、テレビに出ている時とは違う一面が見れたのはうれしかったです。ただ父ももう75歳ですし、しかも急に振られて踊ったので、足がプルプルしちゃってましたね(笑)。
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