ところで、オリンピックといえば、パラリンピックのことも忘れてはいけない。実は1964年の東京オリンピックの後に行われた「国際身体障害者スポーツ大会」は、世界で初めて“パラリンピック”という名称が使われた大会なのであった。
その貴重な模様を捉えた幻のドキュメンタリーが「東京パラリンピック 愛と栄光の祭典(1965)」(1月1日[水・祝]午前11:00 WOWOWプライム ほか)。22カ国が参加しており、こちらのスタッフは製作に上原明、監督・脚本・撮影は渡辺公夫と、どちらも大映でカメラマンを担っていた生粋の映画人だ。
オリンピックは公式映画の製作が契約で義務付けられているが、パラリンピックにはこうした規定がないのだそう。だが2020年の大会は、国際パラリンピック委員会(IPC)の公認で準備段階から大会閉幕までのドキュメンタリーがつくられるという。その先駆けである「東京パラリンピック 愛と栄光の祭典」もぜひ、観てほしい。市川崑の「東京オリンピック」同様、映画人としての気概がそこに提示されているからである。
ライター。「キネマ旬報」「映画秘宝」「クイック・ジャパン」「ケトル」「DVD&動画配信でーた」などで執筆。モデルとなった書籍「夫が脳で倒れたら」が発売中。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)