冒頭では雄司社長を目指すべきと言ったが、現実的には筆者も奥田タイプ。何をするにも「現実的に考えたら無理だろ…」「やばいよやばいよ」とオロオロし、上に振り回され、嫁には尻に敷かれる…(想像上)。
最初試写を見た時「あれ? 俺が画面の向こうにもいるぞ」と思ったくらい親近感を抱いたのはここだけの話。
普通に考えたら「絶対に無理」「絶対うまくいくはずがないから」と諦めて何もしない方がよっぽど楽なのが人生。ほどほどでいい、普通に暮らせればいいと考えるならば。
でも、この社長は違う。パッと見チャラくて、何を考えているのかさっぱり分からないけど、底知れない奥行きを感じさせ、どこか人を引き付ける魅力を持っている。
いや、普通に考えたらこんなに好き勝手振り回す人の下に付いて働くのはまっぴらごめんだが、第1夜を見終わったころには「普通」ってなんとまあ堅苦しい言葉なのだろう、と意識が変わってしまったほど。
雄司社長演じる勝地の“主役”ぶりと時折見せる勝地要素、伊藤演じる奥田の万民の共感を得そうなキャラクター、稲葉の“右腕”感、瀧本の体育会系な感じもそそられるが、個人的には“困ったときの丸山智己”の地味に熱い男っぷりが好き。こういう人がいるとドラマに厚みが出るよな…。
あと、これまであまり見たことがないキャラクターの“ヨメ”こと貫地谷しほり、仕事のデキる敵キャラが見事にハマり、思わず「いいんです!」と言いたくなる川平慈英や、宮崎吐夢の隠し切れないピエロっぷりもまたなくてはならないスパイスとして大事。
それはそうと、正直、ぶっちゃけ、素直に吐露するならば「正月休みを返上して試写記事を書くなんてどんだけドMなんだ」と自分で自分を呪っていたことは認める。
だがしかし、第1夜を見た後にはそんな小さいことはすっかり忘れて、早く第2夜を見せてくれと、担当に新年早々電話しそうになったくらい。
早く会社の気心の知れた仲間を集めて、彼らのようなあのクセの強い“チャラ円陣”を組みたいなと思い、スマホを握り締めてから気付いた。
あ、気心知れた仲間なんていないんだった…。
今年もよろしくお願いします。
文=人見知りシャイボーイ
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