――ありがとうございます。お二人はもし監督、主演俳優ではなく、一映画ファンとしてこの映画を見たら、どんな感想を抱きそうですか？
周防：「おおおおお、久々に映画らしい活劇を見たな」っていうふうに思ってほしいと思って撮りました。もちろん活動弁士の存在を知ってほしいっていうのはあるんですけど、でもこの映画の一番のミソは、その“活動弁士の物語”を、“活動写真自体が持っていた映画の魅力”で、“活動写真らしく描く”ということ。自分が観客として見たら、それに近い感想を抱ける映画になっていると思います。
成田：僕もこの役を頂くまで、活動弁士という職業を詳しく知らなかったんですけど、そこにも映画らしい物語があったってことを感じるんじゃないかなって思います。何かを始めようというときとか、新しいものが作られるときのエネルギーは、やる側だけじゃなくて受け取る側もエネルギーを持っているんだな、ということも…。
うーん、でも、もし僕がオーディションに落ちてたら、見ているか分からないです(笑)。見て「あ～いいな～」って思うんだろうなあ。
周防：(笑)。
――それでは最後に、「カツベン！」にかけて、“勝負メシ”を教えてください。
成田：それ、別の取材でも聞かれました！(笑)
周防：あれは“お弁当”限定だったから、“勝負メシ”なら被らないんじゃない？
成田：えー、逆に勝負のときは食べないからなぁ。…うーん、何もない！(笑)
周防：(笑)。食べたいときに、食べたいものを食べるのが一番。
成田：監督の好きな食べ物ってなんですか？
周防：それはたこ焼きですよ(何故かドヤ顔)。
成田：あー、おいしいですよね…この間大阪行って思いました。あ、外がカリカリのたこ焼きはダメ派ですか？
周防：ううん、好き。
成田：関西の人って、外カリカリだと「(たこ焼きじゃなくて)たこ揚げじゃん！」って言いません？
周防：ああ、そういうカリカリか！ ダメじゃないけど、それは「たこ揚げ」だよね。
成田：あ、監督もそっち派なんですね！(笑) ※周防監督は東京出身。
周防：たこ焼きとしては認めないけど、たこ揚げとしておいしいと思う。あの油、すごいよ…。好きなの？
成田：僕は好きですね！
周防：その気持ちも分かるけど、あれはたこ焼きじゃないです(笑)。
成田：あと母親のお雑煮とかはやっぱり好きですね…。
周防：それで言うと僕も、母親の茶碗蒸しがすごい好き。あとは海水浴で食べるシンプルなお弁当。
成田：あ～分かるなぁ！ 僕も青とうがらしでめちゃくちゃ揉んだきゅうりとかめちゃくちゃ好きで。
周防：僕は梅干しのおにぎり。潮の香りがおかずになるよね(笑)。
取材・文・撮影＝坂戸希和美
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