スピード感のある面白い会話劇で、あっという間に脚本を読んでしまいました。ただ、読み物としては面白いけれど、これをどのようにドラマとして作るのか想像がつかず、プレッシャーがありました。撮影も2日間で、撮影当日に初めて共演者のみなさんとお会いして、そこで初めてセリフを交わすということにも不安がありました。
リハーサルの段階で監督からさまざまな演出があり、その要求の一つ一つに対して疑問なくすぐに応えていたのが白石聖さんでした。監督の意図をそのまま掴んで表現していたので、その反射神経と若さが素敵だと思いました。
峯村リエさんは動きとセリフのすべてが絶妙で、どんな風に演じても面白いし、懐の広い方でした。竹達彩奈さんは監督からの沢山の要求を撮影で一気に解放されていて、目の見開き方、セリフの勢いもさすがでした。特に自分語りのパートでは声優さんとしての力量と器用さを見せていただきました。
演じた佐山は真面目なキャラですが、後半にガラッと印象を変えたいと思ったので、どれだけ振り切ることができるかという部分を意識しました。ほかの方々の感情と熱量のお芝居があまりにも面白くて、それにつられる形でどんどんリアクションが大きくなってしまったところもありましたが、想像以上に高いテンションの撮影になりました。
相当に楽しめると思うので、視聴者の方々にも絶対に観ていただきたいですし、私自身、他の話も見てみたいです。見どころは女優陣のお芝居の熱量とふり幅。ストーリーが進むごとにどんどん拍車がかかり、かなり振り切っています。
2日間の撮影ですが、初日よりも2日目の撮影のお芝居の方が素晴らしいことになっていたので、「3日目があったら一体どうなっていたのだろう!?」と思います。
撮影期間は2日間でしたが、初日は撮影前に4人で本読みをして、立ち稽古をするという、まるで舞台稽古のような時間がありました。
しかも撮影はシーンごとにほとんどカットを割らずに一気に長回しで撮るという手法で、監督は「最低でも2回戦で行きたい!」と宣言されていたので、本読み段階から完璧に仕上げるような気持ちでやっていました。それだけに本番時はすでにヘトヘト。まるで舞台の本番を凝縮してやっているような感覚があって、ずっと緊張していました。
池鉄(池田鉄洋)さんとは何度か共演をしているので、いてくれるだけで安心感がありました。小野塚君は初共演でしたが、いい青年でとても話しやすかったです。セリフもリハの段階からすべて覚えていて、その記憶力に驚愕。
明日花さんとの共演は周囲に自慢します!(笑) クールな人かと思いきや、めちゃくちゃ面白い人でした。役者としても興味があったので、色々な発見と刺激があって、他の作品でもどんな演技をするのか見てみたいと思ったほどです。明日花さんでしか出せない面白さと武器があると感じました。
初めて出会った4人が火星でどのようなドラマを繰り広げるのか、キャラクターが全員濃いので、その化学反応も見所です。4人のセリフの掛け合いが中心となるドラマで、ごまかしがきかない部分もあり、掛け合いと助け合いで共演者のみなさんとは2日間の短い撮影とは思えないほどの絆が生れました。
演じた僕らは肉体的にも精神的にもハードでしたが、視聴者のみなさんにはくつろぎながら、悲劇的コメディーを楽しんでもらいたいです。
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