中村獅童、中村勘九郎、中村七之助、赤坂大歌舞伎にて「今の時代の新たな『怪談 牡丹燈籠』お見せできたら」

2020/01/29 12:20 配信

芸能一般

3年ぶりに赤坂大歌舞伎を上演することとなった中村七之助、中村獅童、中村勘九郎(写真左から)

5月5日(火・祝)から上演される「赤坂大歌舞伎『怪談 牡丹燈籠』」の製作発表会見が1月28日に都内で行われ、中村獅童、中村勘九郎、中村七之助と脚本・演出の源孝志が登壇した。

「赤坂大歌舞伎」とは、十八代目中村勘三郎の“芸能の街・赤坂で歌舞伎を!”というひと言から2008年より始まり、2013年に勘九郎、七之助を中心に、亡き勘三郎の遺志を継いだ。そして今回、東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演される。

中村獅童コメント


赤坂大歌舞伎は7年ぶりの出演となりますが、ひさしぶりに気心の知れた仲間で芝居を作れることを、非常に今から楽しみです。 源さんとは去年ドラマでご一緒させていただいたことがありますが、今回は歌舞伎の演出をしていただけるということでうれしく思います。

「怪談 牡丹燈籠」は歌舞伎のファンの方からも非常に人気の高い演目なのですが、今の時代の新たな「怪談 牡丹燈籠」お見せできたらと思っています。人間の欲というところに共感していただけるかと思います。

新しいものを作る時は非常に稽古場が楽しくて、稽古の流れによってそれぞれのキャラクターが変わることもあるので、あまり決めつけないで自分なりに工夫して役を作っていきたい。若い方や歌舞伎を見たことない方にも見ていただいて、歌舞伎になじみを感じてほしいと思っています。

中村勘九郎コメント


3年ぶりのACTシアターの出演となり、2008年に父、中村勘三郎が芸能の街・赤坂で歌舞伎をやりたいという願いを元に赤坂大歌舞伎ができたものの、父が亡くなって赤坂大歌舞伎が今後も続けられるのか心配でした。しかし、2013年に3人(中村獅童、中村勘九郎、中村七之助)でやらせていただいたことで、赤坂大歌舞伎はいろんな方向にいけると確信しました。

今回演じる萩原新三郎という役は、今の時代で言うと引きこもりのニートみたいな人。絶世の美女と出会ったがために歯車が狂い、そこから展開していくのに注目してほしい。(2019年にNHKで放送された)ドラマでは七之助が演じていたので、それも参考にしながら役作りをしていきたいと思っています。

「牡丹燈籠」は怪談だけでなく男女の因果因縁、そして僕が演じる孝助の敵討ちだったり、親との師弟の関係も含まれているので、どのようにふくらんでいくかを楽しんでいただきたいと思います。

中村七之助コメント


源監督の脚本を読んだ時にこれはすばらしい、今までにないというか、深いところまで突っ込んで描いてる素晴らしい作品だなと思いました。源監督と世間話的な勢いで歌舞伎にしたら面白いのではないかと話していたら、こんなにも早く決まってびっくりしている反面、このスピーディーさを力として勢いのある作品を作り上げたいと思っております。また、自分が言い出しっぺのため、良い作品にしなきゃと思っております。

私が演じる役は三役すべてキャラクターが違うので、演じがいがありますし、どういうふうになるか分かりませんが、きっと早替わりになると思いますので、そのような歌舞伎の手法的なところ、ビジュアル的なところも楽しんでいただけると思います。

脚本・演出:源孝志コメント


3年前に初めて赤坂歌舞伎を拝見して、赤坂歌舞伎ではここまで新しいことをやっているんだ、ここまできるのだと感じました。そして新しいことをやっているのに、それに違和感を感じることがなかったので、今回の作品でも、ある意味挑戦的な演出をしたいと思っています。歌舞伎が好きな人だけではなく、若い、演劇が好きな人にも見てもらいたい作品です。

まったく(歌舞伎版の)台本ができていないため、みなさんが見たいところは残しつつ、今までもれていたところを新たに掘り起こして、台本を作っていきたいと思っております。深く人の心に入っていくよりも、どちらかというとそういうものを見せられてギグッってするような感じの話やセリフを書いていきたいと思っています。