NHK総合で5月31日から放送開始になるドラマ「下流の宴」の試写会が5月20日、NHK放送センターで行われ、主演の黒木瞳、美波、窪田正孝と脚本を手がける中園ミホが出席した。
同作は林真理子原作の小説を基にしたドラマで、高校を中退しフリーター生活を送る息子・翔(窪田)がインターネットを通じて知り合った女性・珠緒(美波)と結婚すると言いだし、理想とかけ離れていく現実に戸惑う主婦・由美子(黒木)の姿が描かれる。
台本を一番最初に読んだときの感想と、演じる上で大切にしていることを問われると、黒木は「1話を読みました時、早く2話が読みたいと思いました。最終話まで本当に待ち遠しかった台本です。それぐらい面白い、早く演じたいと思えた役ですし、『絶対に私は間違ってない』という由美子を自信を持って演じようと。つい珠緒ちゃんの言ってることとか、翔の言うことに『そうよね』って気持ちになってしまうので、なるべく他人に共感しないように(笑)。自分を信じて演じることを心がけております(笑)」と語った。美波は「最初、由美子さん側に立っちゃったんですね。『あっ!これはまずい』と思って客観的に描かれている他の背景はあまり読まないようにして、珠緒のペースで本当に突き進まないと対立が対立じゃなくなっちゃうからそこは気をつけました」とコメント。窪田は「親の言うことがわかっていても受け入れられないっていう男の子が今は多いと聞くので、その子たちの代表にならなきゃいけないなって。翔くんに感情移入できるように、できるだけ無気力に覇気なく(笑)。将来のことを考えろってことから逃げ続ける”頑張らない”翔くんっていうのを常に心がけていて、最近僕自身にもそれがちょっと影響されつつあります」と役に入り込んでいる様子。
その”頑張らない”翔の生き方についてどう思うかという質問に対し「人間頑張らないで楽しい人生を送れるならそれもいいかもしれませんけれども、やっぱり頑張らなきゃ!(笑)。ただ我が子なのでどうも甘くなってしまうんですね。でも(由美子は)10努力すればそれが20にも30にもなるという確固たる信念を持った人ですし、私も努力が嫌いじゃないタイプなので、だめじゃん!みたいな男ですね(笑)」(黒木)、「台本を読んで、なんで珠緒は翔ちゃんのこと好きになったんだろうって(笑)。ただ優しいので包み込むようなものがあって、そのリズムは絶対に変わってないんでしょうね。ただ流されてる訳ではなく、彼のポリシーがそうさせてるんだなって思いました」(美波)とまずは女性陣の意見。対する窪田は「お母さんや彼女にこれだけ頑張れって言われているのになぜそこで男らしく何か言えないのかなっていうのはあります。そういうところでは全然共感はできません。最後まで頑張らない自分を押し通しているポリシーがあるので、そこはある意味筋が通っているので(笑)、すごいなって思いました」と弁明(!?)した。
ドラマでは”下流”の珠緒に対しきつい態度を取る由美子だが、二人でやりあうシーンについて「珠緒ちゃんとのバトルはものすごく楽しいので、先程も申しました通り相手のセリフに共感しないこと、私が一番正しいと思っていることを心掛けています」と黒木は楽しんでいるもよう。一方、美波は「黒木さんと共演できると思ってすごく楽しみにしていたんですけど、毎回ほとんど由美子さんと会うシーンというのが居心地が悪い、本当に憂鬱になるシーンなので、次このシーンだって思うと落ち込んじゃうんですよ。ただ、飲まれちゃいけない飲まれちゃいけないって思うんですが、バトルをしたい役でもないから意志を通すって大変だなって毎回思ってます」と苦労を明かした。
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