――本作では、医師たちが強い精神力の持ち主である反面、誰もが持つような悩みやプライベートでの葛藤についても描かれ、医師たちの“もろい”部分も表現されている印象です。
医師たちにとって、重い病気に立ち向かうことや、人が亡くなる場面を目の当たりにすることは日常的にあると思います。それらをすべて背負い、自分の気持ちを押し殺してプロに徹している姿は本当にすごい。
大人になればなるほど抱えるものも大きくなるので、大人の医師たちが悩み葛藤する人間ドラマを見せたいと思いました。
――個性的な医師たちが多く登場しますが、映像化したことで気づかされたことはありますか?
出演者の皆さんのお力によって、こちらがそこまで意図していないようなセリフでも面白くしてくださったり、意味深に表現していただいたりするので、そこは視聴者として非常に楽しんで見ています。
深山は構想を練っている時から勝手に天海祐希さんをイメージしていました。椎名桔平さんも想像通りかっこいいですし、陽気な幸子を演じている広瀬アリスさんは、天才的なコメディエンヌだなと感じます。
――ドラマの撮影現場には足を運ばれましたか?
はい、和気あいあいと楽しそうな現場だと感じました。ただ、医学用語が多いので苦労させてしまっていて…「これ難しいよなあ」といたたまれなくなりました(笑)。でも演者の方たちは完璧にこなされていて、さすがだと思いました。
――小説をドラマ化するにあたり、脚本を書く上で意識された部分はありますか?
いつもなるべく新しい医療ドラマを作りたいと心がけていますが、今回は医療ドラマなんだけど笑えて泣ける、テンポの良いものをつくりたいと思いました。あんまりしみじみばかりしたくないんです。
あんなふうに最後にダンスが出てくる医療ドラマって、なかなかないと思います(笑)。
――実際に、ドラマ「医龍」や「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」に影響を受けて医学の道を志した方もいたと伺いました。ドラマがもたらす影響についてはどのように思いますか?
「コード・ブルー」が放送されていた時は、実際に見てくださっている視聴者の方からの声を聞く機会がなかったので、良い反響があったことは後から知りました。
むしろ放送中は、自分と同世代の方から「感情移入できない」というお声もあったり、むしろ否定的な意見もあったんです。
ですが「高校生の時に見ていて影響を受けました」「ドラマから興味を持って医者になりました」といった熱い意見を後々に聞いて、本当にうれしかったです。誰かに届けたいと思い作っているので、やってよかったなと思いました。
――このドラマを、特にどんな方に見ていただきたいですか?
医療ドラマというだけで「重い内容なんじゃないか」と懸念される方もいらっしゃると思うのですが、病気の重さや大変さの部分よりも、“脳の不思議さ”にスポットを当てています。
たくさんの方に、「脳って面白いな」と純粋に楽しんで見ていただきたいです。
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