DJ KOOインタビュー#1「日本の歴史を作ってきた“オドレルJ-POP”は自信を持っていい!」

2020/03/07 22:30 配信

音楽

DJ KOOがDJ BLUEとともにプロデュースしたJ-POPのリミックスアルバム『オドレーJAPAN! ~歴代オドレルJ-POP日本代表~』が、3月4日に発売された。

本作は、1970年代から2010年代まで、各時代を彩った歌謡曲~J-POPのナンバー全38曲をノンストップで収録。世代を問わず誰もが“オドレル”アルバムとなっている。

今回、プロデュースを手掛けたDJ KOOに全3回にわたるロングインタビューを敢行。第1弾となる今回は、本作の聞きどころの他、自身のDJプレーにおけるこだわりなどを語ってくれた。

コンピレーションMIX CD『オドレーJAPAN! ~歴代オドレルJ-POP日本代表~』をプロデュースしたDJ KOO


「アルバム一枚を通して、DJのワンパートのような流れに」


――まず、今回リリースする『オドレーJAPAN! ~歴代オドレルJ-POP日本代表~』というリミックスアルバムを手掛けることになった経緯についてお聞かせください。

DJ KOO:僕、今年でDJ生活が40周年なんですね。

――おめでとうございます!

DJ KOO:ありがとうございます。40周年ですよ。長いですよね~(笑)。その中で、昭和から令和までずっと現場でDJをやってきて、やはりJ-POPのパワーというか、日本を踊らせてきたJ-POPを、この令和の時代に一つにまとめて、皆さんに元気になっていただきたいと、そういうところでございます。

――今お話にもありましたが、今回の選曲が1977年のピンク・レディーから2018年のDA PUMPまで、KOOさんの40年のキャリアそのままという感じで、日本のヒット曲の中からピックアップされていますが、この38曲を選ぶにあたって重視したポイントはありますか?

DJ KOO:本当は(入れたい曲が)もっとたくさんあったんですよ。100曲以上の中から絞った曲なんですけど、やはりその時代を彩ってきたアーティスト、楽曲であること。そして何よりも「踊れる」という、そういうところで厳選いたしました。選曲は、僕と今回一緒に製作したDJ BLUEとで協力してやりました。

――曲順も年代等でブロック分けされるわけではなく、いい意味で「綯い交ぜ」なっているのが印象的でした。

DJ KOO:(意識していたのは)そこなんですよね。やっぱりアルバム一枚を通して、DJのワンパートのような流れを作っていて。時代ごとに固めてしまうと、それで完結しちゃう場合もあるので、やはりいろんな部分で各世代の人たちに刺さるように、それでいてグルーヴを作りながら、後半に向けて尻上がりにピークを迎える、というような選曲にしています。

「J-POPならではの“つかみ”をしっかり出していきたかった」


――こういったノンストップリミックス的なアルバムですと、BPMをそろえることでどこか平坦な印象になりがちだと思うんですが、本作ではBPMを場面場面で大胆に変えていたことも非常にインパクトがありました。そうした「繋ぎ」の部分の意識はいかがでしたか?

DJ KOO: やっぱりDJはグルーヴとかBPMが同じものを繋げていくものなんですが、今回はあえて(そうしませんでした)。J-POPのすごくいいところは、イントロやキャッチーな部分が来たらみんなが「ワァー!」ってなる“つかみ”があるじゃないですか。

そのつかむ部分っていうのを、結構しっかりと出していきたかったんですね。ファーストインプレッションじゃないですけど、それを出していくっていう繋ぎ方していきましたね。

DJ KOO


――選曲からしても世代を問わず楽しめるアルバムになっていると思いますが、リスナーの皆さんにはどんな形で楽しんでいただきたいですか?

DJ KOO:今世の中がこういう状況ですし、日本にちょっと元気がなくなってきてるんで、こういう気持ちも身体も踊るようなこのアルバムを、ちょっと元気がない時とかに聞いてもらって。そこで活気と笑顔を取り戻してもらいたいな~という願いは、改めて今そう思ってますね。

――今はライブも自粛せざるを得なかったり、音楽で元気になることが少し難しい状況になってますからね。

DJ KOO:はい。でもそこであえてこういう音楽を、色々な時代の音楽を聞いて、気持ちも身体も踊って、ポジティブにいろんなことに向かっていけるような、っていうような応援アルバムでもあるかな、と本当に今思ってます。

これを製作した時には、今みたいな状況は全然想像していなかったんですよ。でも、そういう時期にリリースしたということは、それなりの意味もあると思いますし、これまで日本が作り上げてきた「踊れるJ-POP」というのが、この令和の時代にまた開花するような、そういうようなことを改めて感じますね。