がん診療に命を懸ける医師と患者たちを描く松下奈緒主演のメディカル・ヒューマンドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)。演出を務めるのは、同局内でも男性に比べて数少ない女性監督の高野舞氏だ。
彼女が監督になるまでの経緯や、本作に懸ける思いについて話を聞いた。
――この作品を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
まず、「医療ドラマはどうか?」というお話をいただきました。昨今、医療ドラマの数が軒並み増えて、既にやり尽くされている感がある中で、新たな医療現場の切り口はないものだろうかと考えました。
試行錯誤を繰り返す中、自分の身近に“がん”というものがあり、腫瘍内科の先生と知り合うきっかけもあったので、“腫瘍内科医”が主人公で“がん”をテーマに描くことを提案しました。今まで取り扱ったことのない分野に踏み込むことで、医療ドラマに新しい息吹をもたらせたらと思いました。
――がんがテーマということで、重い内容に見られがちですが、そういった懸念はありませんでしたか?
(日本人の)2人に1人が、がんになると言われている時代です。患者さんに、その家族や仲間たち。皆さんそれぞれに思いを抱えていて、賛否はあるだろうなと思っていました。だからこそ“がん”をテーマに掲げた以上、ドラマ上のうそや、都合で作ることを極力減らしたいと思い走り出しました。
がん治療を忠実に表現することによって、(内容の)重さは避けられないかもしれませんが、登場人物の人生を追うことで、人間の持つ強さや可能性を見出せればと。がん治療の現実やその中で懸命に生きている人たちの姿を映し出し、一筋の希望を描きたいと思いました。
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