「医療ドラマに新しい息吹を」女性監督が制作秘話を語る<アライブ がん専門医のカルテ>

2020/03/12 06:30 配信

ドラマ

高野舞監督

女性としての感覚が生きた


――出演者の印象はいかがでしょうか?

“がん”をテーマに扱うドラマであり、シリアスな場面も多いのですが、現場は明るく、出演者の皆さんからは作品への情熱と温もりを感じます。主演の松下さんが醸し出す雰囲気なのかもしれません。謙虚さの中に強い信念を感じます。

――女性監督ならではだと周囲から言われることや、ご自身で意識していることはありますか?

特に女性だからと意識したことはないです。ですが、例えば“乳がん”を扱う際に、女性としての感覚は本を作る段階や演出する上で生きていたと思います。第2話では木村佳乃さん演じる薫が乳房を見せるシーンがありました。このシーンの意図や表現方法などは、もしかしたら女性同士なので話しやすかった部分はあったかもしれません。

最終的には“女性の生き様”を描きたいと思っているので、女性を演出することが好きです。自分と重ね合わせてみるのが楽しいんだと思います。

――本作の演出をする上でのこだわりはありますか?

登場人物一人一人を丁寧に描こうと意識していて、それぞれの信念や正義などはしっかりと示したいなと思っています。“医療ドラマ”という枠に固執せず考え、人間ドラマを取り囲む環境が病院、医療だと捉え演出しています。

――今クールは他局でも医療ドラマが多く放送されていますが、意識することはありましたか?

当然意識はしますが(笑)、各ドラマ、カラーが全然違いますね。医療ドラマというくくりであっても、十人十色アプローチはさまざま。それだけ生命を扱う医療ドラマに奥深さがあるのだとあらためて感じました。