<試写室>佐藤二朗主演「浦安鉄筋家族」は家族愛あふれるホームコメディー

2020/04/10 10:00 配信

ドラマ

大沢木家の家族愛にほっこり


「浦安鉄筋家族」が4月10日から放送開始!(C)「浦安鉄筋家族」製作委員会


コンプライアンスが厳しい昨今のドラマで、こんなにもタバコを吸い、人が殴られ、騒々しいドラマはあっただろうか。

開始早々「大量にタバコを吸い、人が殴られ、過激なシーンが満載だ」と早口で言う、佐藤二朗さんの注意喚起がある。

それを見た筆者は「そんなに過激ではないでしょう。だって、地上波でやるんだもの」となめてかかっていた。さすが、テレビ東京。地上波のぎりぎりを攻めている。今クールの地上波ドラマの中で、最も過激といっても過言ではないだろう。

そんな本作の第1話は、本当に面白かった。原作を読んでいた筆者だが、笑い以外にもほっこりするシーンの多さに驚いた。本音を言うと、本作はお笑い的な面白さだけだと思っていたのだ。しかし、見ていくうちに家族愛があふれるストーリーに心が温かくなった。“エクストリーム・ホームコメディー”というだけあり、家族愛もしっかりと描かれている。

中盤から、とあることをきっかけに禁煙を決意した大鉄。一時は賛同した小鉄や桜たちだったが、我慢している父を見て、小鉄はお小遣いでタバコを買い、桜は喫茶店のマッチを父に渡す展開がある。

そのシーンで、岸井さんが「吸ってよ。煙かけろ、私に」と言う。このせりふを言う時の岸井さんの表情が最高にいい。ぜひ、見てほしい。女性の私でもキュンとし、惚れてしまいそうになった。リアルタイムで視聴する男性諸君は心して見てほしい。

しかし、「浦安鉄筋家族」らしさはなくなっていない。笑いやおなじみのプロレス技は、ちゃんと炸裂している。水野さんのコブラツイストや、ラリアットなどのプロレス技は必見だ。

笑いどころもアドリブも満載で、ホームコメディー要素もある本作は、現在の暗い雰囲気を吹き飛ばす力を持っていると思う。

文=たかし