“星ばあ”と過ごした夏は、僕の宝物だ。桃井さんは、大先輩だ。憧れだ。緊張しないなんて嘘になる。だから僕は、女優・桃井かおりとしてではなく、“星ばあ”として桃井さんに接することを徹底した。
不退転の覚悟で挑んだ僕に待っていたのは、桃井さんのとてつもない大きな映画への愛情だった。妥協なく、自由に、与えられた役を生きる桃井さんに、今まで以上に映画作りの楽しさを教わった。
桃井さん、そして主演の清原さんと過ごした唯一無二の夏の匂いが、スクリーンを通して皆さまの元へ届く日を楽しみにしています。
この物語のキーとなる謎の老女“星ばあ”ほど、困難を極めたキャスティングはいまだかつてありませんでした。
ミステリアスで、ファンキーで、クレイジーで、意地悪で、優しくて、強くて、儚くて、懐かしく、子どものような人物を一体誰が演じ得ようか…。思い当たった人はただ1人。唯一無二の存在。それが桃井かおりさんでした。
清原果耶さん演じるつばめとのバディぶりは、私たちの想像を遥かに超えた存在感で、多くの方々を魅了すると確信しています。
隣に住む大学生の亨にひそかに恋心を抱くごく普通の14歳、つばめ(清原果耶)。父と母と3人で幸せな生活を送っているように見える彼女だったが、父と、血のつながっていない母親との間に子どもができると知り、彼女は疎外感を感じていた。
誰にも話せない恋心や家族への思いを抱え、もどかしい日々を過ごす毎日。そんな彼女にとって、通っている書道教室の屋上は唯一の憩いの場だった。屋上で1人、風を感じながら星を眺める時間は、少しの間彼女を自由にさせた。
ある夜、いつものように屋上に上がったつばめは、見慣れないキックボードを見つける。なんとなく漕いでみると、突然誰かの声が聞こえてきた。「人のものに勝手に触って」。
驚いたつばめの前に、カラフルな布をまとった派手な装いの老女が現れる。不気味に感じその場を立ち去ろうとするつばめだったが、空を見上げると、老婆がキックボードに乗って空を飛んでいる姿を見て思わず立ち止まってしまった。
「年くったら、何だってできるようになるんだ」。不思議な雰囲気を漂わせる星ばあ(桃井かおり)に、つばめはふと恋の悩みを打ち明けてしまう。
口の悪い星ばあに閉口しつつも、つばめは次第に心を開き始め、恋の話や、家族の話をするようになる。打ち解けていく2人だったが、ある日、亨が交通事故に遭ったとの知らせを耳にする。
恋に家族に、さまざまな悩みを抱えた14歳のつばめと謎めいた星ばあの、ひと夏の青春が走り出す。
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