2020年度前期の“朝ドラ”こと連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。主人公・古山裕一の青年期がスタートした第3週について、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が振り返る。(以下、第3週までのネタバレが含まれます)
第1週は主人公・古山裕一(窪田正孝)の幼少期(石田星空)、第2週は、裕一の未来の妻・関内音(二階堂ふみ)の幼少期(清水香帆)を描いた“朝ドラ”「エール」。第3週ではいよいよ窪田正孝の本格登場となった。
大正15年、裕一は商業学校に進んだものの、音楽に夢中で4年生を2年やっていた。楽しみは福島ハーモニカ倶楽部の活動。定期演奏会でオリジナル曲を演奏することになって張り切る裕一だったが、父・三郎(唐沢寿明)があやしい業者に騙され、借金のかたに川俣の権藤家に養子に出されてしまう。
涙の演奏会の後、川俣編になると、俄然、コミカルに。川俣銀行の行員たち、落合吾郎(相島一之)、菊池昌子(堀内敬子)、鈴木廉平(松尾諭)、松坂寛太(望月歩)がクセの強いキャラぞろいでシチュエーションコメディのようだった。
“朝ドラ”好きの高瀬耕造アナは「おはよう日本」で「スカーレット」でも主人公が大阪に引っ越すと雰囲気が変わった。こういうのは朝ドラのテッパンと語っていた。いまや、朝ドラ制作スタッフ以外で“朝ドラ”に最も詳しいのは高瀬アナではないだろうか。「あさイチ」の華丸や、「朝ドラおじさん」となった日村勇紀よりもよく見ているんじゃないかと思う。
そう、主人公が故郷をいったん離れると雰囲気が変わるのが“朝ドラ”。だが、引っ越さなくても、変わるのである。それが第3週。
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