2020年度前期の“朝ドラ”こと連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。古山裕一(窪田正孝)と関内音(二階堂ふみ)の恋物語がスタートした第4週、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が注目したのは、音の妹で大きな丸メガネがチャームポイントの梅を演じる森七菜(もり・なな)だ。(以下、第4週までのネタバレが含まれます)
「エール」第4週はオトナになった音(二階堂ふみ)が登場し、裕一(窪田正孝)と文通をはじめる。きっかけは裕一が国際作曲コンテストに入賞したことで、新聞記事を読んだ音は同世代の快挙に舞い上がって手紙を書く。裕一が「竹取物語」を題材に曲を書いたと知って、幼い時、「竹取物語」を演じた音は運命を感じてしまう。
裕一は裕一で、たくさん来た手紙のなかで裕一の音楽を理解してくれているように感じた音に惹かれていく……。豊橋の音と福島の裕一の、遠距離での恋心。会ったことがないにもかかわらず(本当は子供のときに会っているがふたりは気づいていない)、手紙だけでふたりは熱く盛り上がる。ちょっとバカップルみたいな感じもしなくはないが、初々しく純粋と言い換えることも可能だと思う。
1週と2週は福島と豊橋を一週間ずつ描いたが、4週は一週間のなかで福島と豊橋をテンポよく行ったり来たりして描き、なかなか楽しく見ることができた。川俣のターンは銀行4人組(演じるのは相島一之、堀内敬子、松尾諭、望月歩)が芸達者で場を弾ませるとはいえ、裕一の養子問題とそれに関する実家の老舗呉服店・喜多一の経営問題があって時々暗い影が差す。
その一方で、豊橋のターンは「まんぷく」の初期や「とと姉ちゃん」のように一家の大黒柱・父(光石研)が亡くなって女4人の愉快な暮らし感に溢れていてじつに気が楽。ナイーブな窪田正孝の演技と、コミカルな二階堂ふみの演技の対比のバランスが、5週で合わさったとき、どうなるか楽しみである。
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