南條愛乃、現況から改めてファンの存在・大切さを感じる【シングル「藪の中のジンテーゼ」インタビュー】

2020/04/27 11:00 配信

音楽 インタビュー

南條愛乃の10thシングル「藪の中のジンテーゼ」初回限定盤ジャケット


繊細に世界観を作り込んだMVになりました


●「全然違う」という意味では、これまでにない和装のジャケット写真が公開されて話題になってました。ビジュアルはどんなイメージでした?

まず、MVに関しては、本当は太宰(治)と芥川(龍之介)の曲なので、男性たちの美しい世界観の曲に、女である私をどう絡ませていいかわからなくて。そこはずっと悩んでましたね。なので、最終的にはストーリーテラーとか、物語の読み手である和装をした女の人+白いワンピースを着て水の底から訴えかけてくる、太宰の気持ちを歌っている人っていう2つのシチュエーションで展開していくMVを作ってて。毎回こだわって作ってるんですけど、その中でも過去一で一番細かいというか、繊細に世界観を作り込んだMVになりました。ストーリーテラー的な立ち位置にいてほしかったので、当時の和装というよりは、現代の服装と合わせてみて。当時の世界観に溶け込むというよりは、違和感を持たせたかったんですね。だから、現代の襟付きのシャツを着てみたり、ジャケット写真のほうではアイラインに赤のラメを入れてもらったりっていう遊び方をしてて。あとは、作詞と原作の世界観監修を務めているイシイジロウさんに「太宰のモチーフは桜桃(さくらんぼ)だよ」って教えてもらったので、MVの中では桜桃を食べるシーンがあって、ジャケ写では髪の毛に盛り込んでもらいました。イメージ通りというか、作り込んでいてすごく楽しかったし、私も満足だし、このビジュアルが発表されて反響もあったので、みんなにも楽しんでもらえるCDになるかなって思う。曲、ビジュアル、カップリング、いろいろ盛り込んだ1枚になっているので、早くみんなに届いてほしい。こんな時期だから届け方にも慎重になりますが、じっくり作品に浸ってもらえる時間を提供できならいいなと思います。

(取材・文 / 永堀アツオ)

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