早稲田大学応援団の面々がバンブーでミルクセーキを飲みながら曲ができるのを待っていると、宿命のライバルである慶應義塾大学の応援団長・御園生新之助(橋本淳)がやって来て、早稲田応援団など敵ではないというような態度をとる。
海外留学の経験もありブラックコーヒーを飲む通な御園生は、何かと力任せの早稲田応援団を時代遅れとバカにするが、そこへバンブーのマスターの妻・恵が割って入り、オックスフォード大学で法律を学んでいたとき、正面切って正義を訴えた男の話を例に出し、「論理より感情」、「底ぬけのバカ」こそ強いのだと早稲田の味方をする。
底抜けのバカがはたして本当に強いかどうかよりも、ここでは恵の芝居がかった思い出語りにスポットが当たり、田中も御園生もあっけにとられて見るばかり。要するにバンブー内での熾烈な早慶戦を引き分けに持ち込んだという役割となる。
以前から恵は、複数の男性との間で揺れる恋の経験や、網走の刑務所に入っている恋人を訪ねた思い出などをドラマティックに語り、それはすべて夫の保(野間口徹)も初耳なものであった。
恵がほんとうにオックスフォード大学出身という高学歴の持ち主で、ワケアリの恋人もいた恋多き女なのか。真実はもはやどうでもいい。“恵の思い出語り”は3度めにして完全に定着、このままコーナー化してほしいという気分にさせた仲里依紗の名演技。かわいらしいエプロン姿でミルクセーキの作り方を紹介する場面もハマるが、ワケありの女の悶えみたいな演技もハマる振り幅の広い俳優である。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)