いずれにしても本編以外の番組が作られることは、それだけ番組が愛されている証。
だが、朝ドラの放送時間帯に放送されないスピンオフだと、最初の放送がBS だったりもするため、知らずに見逃してしまいかねない。本編の補完としても楽しめるスピンオフを本放送に組み込めば、いつも見ている人がそのまま見ることができるという利点がある。
また、これは推測に過ぎないが、近年の視聴者はYouTubeの普及によって長い作品よりも短い作品を好む。そのため、連ドラも一話完結ものが増えているうえ、一話を2話の短編にして届けるドラマも登場してきた。
朝ドラもドラマを群像劇として様々な登場人物の物語を長い一本で見せるよりも、ひとりひとりのキャラクターの独立した短編にすることで、視聴者に親しみやすくしようと模索しているのかもしれない。
「スカーレット」で試みた本編組み込み型を、今回「エール」が引き続き踏襲したように見えるが、「スカーレット」は1週間(6回)連続もの。「エール」は3つの短編とスタイルが違う。
なんといっても、本編のセットを再利用するのではなく、スピンオフ用にセットを別途作っている。
地獄、古書店、パリのカフェやアパルトマンなどなど、かなり手間をかけているように思う。本編終了後の後日談ではなく、本編で描ききれなかった主人公たち以外の背景や思いを感じることができた特別編。こんな一週間も悪くない。
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