田中圭、長野五輪の感動金メダルの裏話に「すごい話を知ることができました」

2020/07/04 13:00 配信

映画

せりふの一つ一つが「実話だからすごく生々しい」と明かした田中圭撮影=玉井美世子


選手より、もっと多くの人たちが裏で支えていると思います


その他にも、コーチやテストジャンパーの仲間、そして家族といった周囲の人たちの絆も丁寧に描かれる。

「みんなと関係することによって絆も生まれるし、着地するところも変わっていく。人は人でしか変わることができないことを強く感じさせられました。そしてそれが実話ということがもう本当に素晴らしい。ちなみに僕のいる世界やスポーツの世界は分かりやすいですが、どんな人にも当たり前のようにドラマがあって、支えてくれる人はいると思います」

本作の撮影は長野五輪が行われた雪山の白馬ジャンプ競技場で撮影。

「さすがにジャンプはできなかったですが、スタート位置から数メートルは滑りました。やはり下から見るのと上から見る景色は違い、ここから飛ぶのか…と最初は恐怖がありました。でもそれは最初だけで、実際に滑っているときは恐怖よりも体全体がキレイな形になっているかという気持ちが勝っていました。そこで感じたのは、スキージャンプは想像しにくい競技だということ。サッカーや水泳などの競技は、やったことがなくても何となく想像がつきますが、スキージャンプは全く分かりません。実際に下の方まで滑りましたが、新しい体験でした。初速だけでもすごく速くて驚きました(笑)」

東京オリンピックは2021年に延期されたが、「それによりまた多くのドラマが生まれていると思う」と明かす。

「延期になって選手は大変ですが、一方で、選手より、もっと多くの人たちが裏で支えていると思います。そしてこの1年で僕たちが知りようのないことが起き、多くのドラマが生まれ、そこを駆け抜けた人たちが1年後、表舞台に出てくる。そんな表舞台だけでなく裏側にも視野を広げて楽しみたいです。そして、この作品が支える側の方たちのエールになったり、そのことを改めて考えるきっかけになればうれしいです」

取材・文=玉置晴子