田中れいな、矢部昌暉ら万雷の拍手に感無量「芝居ができることが本当に幸せ」<舞台「剣が君」千秋楽>

2020/07/14 18:00 配信

2.5次元

田中れいな、ミュージカルさながらに全編で歌唱を担当


今回、田中れいなが演じたのは、ヒロインである料理茶屋の娘・香夜。モーニング娘。のエースとして活躍した彼女はかねてから演技力にも定評があり、グループ在籍時から数えれば、舞台、ミュージカルの出演作数は20を超える。

今回は日替わりで6人それぞれの個別ストーリーが披露された。田中れいなは相手ごとに変わる香夜の感情を細やかに演じきった撮影:鈴木康道


「剣が君」は、九十九丸たち6人の若者がそれぞれの宿命に立ち向かう物語だ。香夜はその中で彼らを支え、心を癒やし、彼らが生きるための愛しい君になっていく。男性陣の熱量あふれる芝居に対し、田中は女性らしい柔らかさで香夜を表現。個別ストーリーと呼ばれる6人それぞれとのドラマでは、シナリオごとに変わる香夜の感情を細やかに映し、役者としての実力をしっかり見せた。

歌唱スキルが高いのはもちろんだが、田中れいなのうまさの本質はバラードに見る表現力だろう。特に劇中歌のように物語と歌詞がリンクすると、劇への没入度がどんどん高められていく撮影:鈴木康道


また、ゲームではエモーショナルな音楽も胸を打つポイントで、舞台でその役を担ったのが田中の歌唱だ。物語を紡ぐ情感豊かな歌声が会場の隅々までを包み込み、劇への感情移入を一層高めてくれるものに。随所でミュージカルさながらに美声が披露され、演出家が寄せる“田中れいなの歌”への信頼が見えるようだった。

2.5次元のほとんどは女性をターゲットにした作品で、観劇者の多くが男性俳優陣の女性ファンであるのが常だ。本作もその例にもれず、田中にとってはある意味アウェーの場だったが、だからこそ初めて聴く彼女の歌の輝きに驚いた方も多いだろう。